貴志 祐介『雀蜂』

雀蜂 (角川ホラー文庫)

雀蜂 (角川ホラー文庫)

もうタイトルからして判ると思うんで書いてしまいますが、殺人の手段として「蜂」を使うってのは誰しも(だれしも?(笑))一度は考えると思うんですよ。でもあんまり書きませんよね。だって馬鹿馬鹿しいから。でも貴志さんはそのネタで描き切った。“殺人”というからには犯人=人間の存在があるわけで、わざわざスズメバチを使って人を殺そうとした動機であり理由、殺される者・殺す者双方の関係性がこの作品の“衝撃”ということなのでしょうが、そんなことはどうでもいい。どうでもいいと言い切ります。
蜂VS人間
これをここまで本気で描いたこと、それをちゃんとエンターテイメントとして読ませること、ここが素直に凄いと思う。