東出 祐一郎 『ケモノガリ2.3』

ケモノガリ 2 (ガガガ文庫)

ケモノガリ 2 (ガガガ文庫)

ケモノガリ 3 (ガガガ文庫)

ケモノガリ 3 (ガガガ文庫)

天性の殺戮者として覚醒した主人公が、ケモノガリとして世界中の「ケモノ」を狩るってなシリーズで、経験値は多少上がれども主人公はもう“そういう存在”だから目に見える成長ってのは描かれないんですよね。ナチュラルボーン殺戮者だけあってその技術は覚醒した瞬間確立されている。しかも主人公の目的は明確で一切揺るがない。自分の目的と一致すれば誰かと関わりをもち共闘したりもするけれど、主人公にとってはあくまでも目的達成のための通過点でしかない。つまるところ「戦って殺す」ってだけなので、だから主人公の物語としてはあんまりおもしろくないよね、これ。
だからなにを楽しむか?と言ったらやはり『敵』になる。主人公の敵としてどれだけ魅力ある敵を用意できるか、そこがシリーズの肝になると思うのだけど、3作目にしてびっくり動物出しちゃったよ(笑)。
もうなんでもアリだな(笑)。
てかてっきり孤高の殺戮者として在り続けるのかと思っていたので、2作目では東洋の高校生ではできないアレコレをサポートしてくれる存在を、3作目では相棒となるであろう存在を『仲間』としてゲットしててちょっと驚いたんだけど、でもこれでバトル時以外の主人公の話も楽しめそうというか、オフ(戦闘準備ターン)時も話に厚みが出そうな感じ。
で、シリーズ通しての敵になるであろう存在が登場したわけですが、なんでこんなに短髪なの・・・・・・。この設定この世界観なら長髪だろうが!最低でも前髪は目に掛かるぐらい長くなきゃ!!。
まぁおそらく主人公と被らないようにという配慮がなされたのだとは思いますが、これは明らかに違う。むしろこれはライバルキャラでなくそいつに使われる幹部キャラだよー。