『コンフィデンスマンJP』第1話

初回らしくと言っていいのかわかりませんが、スケールのデカイ大掛かりな仕掛けをハイテンションで駆け抜けたなー。ここまで全力コメディだとは思わなかったわ。
小日向さん演じるリチャードがボコられ意識不明ってのがまず嘘で、それは東出演じるぼっちゃんを釣るためであることは明白で、だから作劇の肝としてはリチャードがどこで姿を現すか、リチャードがこの作戦でどんな役割を担っているのか、その一点にあったと言っていいと思うんだけど、あそこにもあそこにもリチャードがいたのかよwってなネタばらしはそこそこ面白かったし、脚本自体は悪くないのかなと思うんだけど、リーハイやデートと比べて「うーーーーん・・・」って感じなのはやはり堺雅人&ガッキー、長谷川博己&杏に対して長澤まさみ&東出に理由があるのかなぁ。
わたし東出昌大という俳優が言葉選ばずに言うけど大嫌いなんで最初からそういう目で見てるところはありますが、それ差し引いてもボクちゃんの演技コメディとして成立してないだろとしか思えないし、まさみどんもテンションの高さをキープすることに意識が向いてるんだかなんなのかまさみ比でやけに一本調子に思えるし、そのせいか小日向さんも可もなく不可もなくと言った感じで、キャラクターの魅力がぜんぜん見えなかった。
初回の主旨としては三人の関係性と三人が仕掛ける詐欺の方向性、こういう感じでいきますよってなことを見せることにあったのかなと思うので、とりあえず三人のなんとなくの性格と役割(ポジション)を描いただけでキャラクターの掘り下げ、キャラ同士の掛け合いでありその魅力を描くのは2話以降になるのでしょうが、毎回ゲストとしてそれ相応の役者をキャスティングするのも売りらしいので、キャラとしてゲストに負けっぱなしで終わってしまうのではないかという気がしなくもないです。
あと演出もつまんないよね。脚本をまんまベターっと演出してるだけで目を惹くシーンだったり仕掛けだったりがひとつもないし、ずーっと同じテンションでドタバタコメディやってるもんだから大物悪人に詐欺を仕掛けてるというスリリング感がまったくないんだもん。だから悪人をまんまと騙してみせた痛快感もない。シリアスにしろと言ってるわけじゃなくってさ、コメディならコメディなりの真剣さが欲しい。このノリでこの規模の仕掛けをたった三人でやっただなんてさすがに荒唐無稽が過ぎてコントにしか見えないもん。空港職員も乗客も全員「仔猫ちゃん」でしたー!だなんてドッキリかよと。端からリアリティなんて考えてない、ファンタジー詐欺なのはいいけど、だからこそそれがコントに見えちゃったらダメだと思うの。
古沢さんだったらむしろスケールは小さい(規制がある)ほうがいい感じでこねくり回せるとわたしは思うので、さすがにこの規模は初回仕様でしょうから1時間の枠内で話を作る2話から、初回は中抜け状態だった小日向さんが全編活躍するであろう2話からが本番であり古沢脚本を存分に堪能できるだろうと期待してます!!。