『コントが始まる』

“同じ時間”を前半は有村ちゃん演じる中浜さんの視点で描き、後半は「マクベス」の視点で描きつつ、実は春斗と中浜さんは1年前に出会っていて、中浜さんがやった「とある事」がマクベスのコントの元ネタであることが判明する、という初回の趣向でしたが、それがうまいこと活かされるのはファミレスにやってきた三人客のウザい(としか初見では思えなかった)言動が「実はそういうことだった」と明かされたことぐらいで、パッと見“仕掛けてる”ようで別に捻りとかはない脚本だなぁ。

直近で言えば俺の家の話の最終回で最上級の「そういうことだったのか!」を見せられたこともあるし、それこそ古沢さんならこの構成を使ってもっとあちこちで「種明かし」をしてくれただろうに。まあ別にそういうのを狙ったわけじゃないのかもだけど。
そんな感じで特に期待してたってこともないんだけど、それでも「思ってたよりも」ストーリー的に面白い・面白そうと思えるところがなくってちょっとどうしたもんかなーと。

でも役者の演技はいいんだよね。太賀は勿論だけど神木さんのふわふわした存在感が実に良い。マクベス三人を中心に現場はさぞかし楽しかろう・・・という空気感、その日常感だけで充たされたもん。
(と同時に、「世代」というものを強く感じる。太賀つながり+三人組から「ゆとりですがなにか」を例に出すけど、作風とかそういうの関係なしにあの三人組とこの三人組とは「世代が違う」なと思わずにはいられない)

そういう意味では、あの流れで福岡まで車でラーメンを食べに行き、ラーメンを食べて泣き、「大事なことはいつもラーメンの後」で、帰りの道中では太賀と神木さん爆睡、という流れは胸が痛くなるほどの切なさとともに虚しさのようなものもあるテレビドラマではなかなかお目に掛かれない質感の映像だったけど、それは役者の力量によるところがほぼ10割だと思うんで、その感じは保ちつつ、ここからストーリー展開に改めて期待したい。

とにかく神木さん演じる瞬太は死なないで。殺さないで。そういうのわたしいらんから。