恩田 陸『夜の底は柔らかな幻』

夜の底は柔らかな幻〈上〉

夜の底は柔らかな幻〈上〉

夜の底は柔らかな幻〈下〉

夜の底は柔らかな幻〈下〉

舞台設定(雰囲気作り)とキャラ間の関係性を含む各キャラクターの基本設定はいいんだけどストーリーがなぁ・・・・・・
途中まではいいんですよね。上巻はかなり面白かった。上巻読み終えた後間髪入れずに下巻開いたぐらい続きが読みたくなる引きで、上巻はほんと良かったんですよ。でも下巻を読み終えた瞬間「ああ・・・やっぱりいつもの感じだったか・・・・・・」と。なんでいつも後半グダグダになっちゃうのだろうか。
オチが残念なのはいつものこと、というかもはや残念であってこその恩田作品とすら言えると思うんでそこは今更言うことはないんだけど、“ベトナム戦争”“地獄の黙示録”なんてキーワードを掲げてるくせに肝心の山に入ってからのバトルシーンがしょぼいことといったら。人間をボール状にしちゃうとかグロいことはグロいけど、そこから血腥さや死臭、殺るか殺られるかという緊迫感、そういうものが全く伝わってこない。
・・・まぁ恩田作品にそれを求めるほうが間違ってると言われたらその通りですと認めますけどね(笑)。
繰り返しますが設定はほんといいんですよ。だから超能力バトル描写の上手い人がバトルシーンだけ手を入れてくれたものが読みたいなぁ・・・なんて思ったり。