『JIN』第10話「最終章前編〜タイムスリップの結末・・・」

東のあれは結局仇討ちでもあり恭太郎さんを庇ってのことでもあり、“幕府の手の者によって殺されたら大政奉還にケチがつくから”であり“だったら自分が”でもあり、ひいては「坂本龍馬」という男を、その生き様を守ったんだということなわけで、明確な理由があるわけではなくそれぞれがそれぞれの立場で東の行動を受け止めればいいってか、物事には多面性があるということは分かるしこれもそういうことだとは思うのですが、“ドラマとして”見ると東と恭太郎さんの扱いがちょっと酷すぎるような。まぁ人知れず腹を斬って痛みに悶え苦しみながら死んだ(であろう)東の最期も、本当のことは黙ってて欲しいと仁先生に頭を下げた恭太郎さんの惨めさも、どちらも侍であると言えるのでしょうが。
酷すぎるといえば三隅の結末も。仁友堂のために、いや南方仁という男のために医学館のトップと西洋医学所のトップと勝海舟が共に知恵を出し合ってくれたというその事実こそが大事であり、そして白髪が一気に増えるほどの拷問に耐えた山田先生や仁先生に少しでも使い勝手のいい道具をと研究しつづける横松先生、「先生と出会ってから一度も後悔などしたことはない」と言い切った佐分利先生によって仁先生に最後のウジウジを振り切らせ、そしてそして「国の為 道の為」という緒方先生の言葉に応えるべく仁友堂が再び団結を確かめ合うために“悪役”が必要だったわけで三隅の落とし前なんてのはどうでもいいことなんですってなことなのでしょうが、仁先生だけでなく山田先生が受けた仕打ちの代償が映像としてあの程度ってのは視聴者心情としては許しがたい!!。
ていうかていうか、松本先生と多紀先生の共同企みからの実行などという歴史的瞬間をそんなにアッサリ描いてんじゃないわよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!。
しっかし『坂本龍馬の暗殺を阻止(龍馬さんを救う)』というこれこそが自分が江戸時代にタイムスリップさせられた理由であり目的であると信じてたものが崩れ、ようやっとの思いで帰宅したら自宅が悪口でボロボロときたら心折れるのも仕方ないかもですが(特に仁先生は現代っこだからね)、こんだけのことしておきながらあっさり「仁友堂は締めます。みなさんの今後は松本先生にお願いしますから」って仁先生が超無責任すぎてワロタwww。山田先生のこの様子見てよくそんなことが言えるなとw。ちょんまげ姿の可愛さと爆裂馬鹿笑顔に釣られてついつい流しちゃってはきたけれど、この人って結構・・・人としては酷いよな(笑)。そういう意味でも仁先生には咲さんが必要だよねぇ。
つーか勝先生に江戸は燃えるのか否かと聞かれた仁先生の「俺地理だったんだよなぁ・・・・・・」でこれまでのあれやこれやに納得できた気がしました(笑)。それにしたって常識レベルじゃね?ってことも知らない気はするけど、でも地理選択ならしゃーねーなと思えてしまったわ(笑)。てかまさかこれまでの歴史オンチ描写はこの場面で「勝先生次第です」と言ってやるためための壮大な前フリだったというわけではないわよねっ!?(笑)。
あと未来でも吉原と島原に行きたがる龍馬さんの生きる希望を「ありません」と一刀両断でぶった斬ってましたがw、むしろ未来では日本全国どこでもキャバクラやらソープやらイメクラやらデリヘルやらがあるんですよー!揉みまくりですよー!って教えてあげればいいのにと思いました(笑)。
あとあと龍馬さんの「保険」について民間の会社がどうたらって教えてあげてたけど、龍馬さんが言う「保険」ってのはむしろ「国民健康保険」の意味合いなんじゃないの?。「会社」はわからなくても「カンパニー」は分かるんだってなやりとりで誤魔化してはいたけどスポンサーに媚びることを忘れない仁先生ってばさすが(笑)。
起きたら驚くだろうなと心配してた佐分利先生はあれ酔っ払って寝てたところを咲さんに叩き起こされたわけですよね。それなのにこの大事なところで頭痛発動しフラフラの仁先生を一喝し、自分がやるから「指図をお願いします」と言ってのけるとか超カッコよかったぜ!!。
それに、野風さんの手紙+「逢引したくないですか?」で覚醒した龍馬さんに「エエエエエエエエ!?」と驚く様が視聴者の代弁者としてカンペキすぎる仕事でしたw。いいわぁ佐分利先生w。


てか仁友堂を閉めます発言の時に仁先生がさらっと「私の頭の中にはガンがあってもうそう長くはありません」とか言ったじゃん?。あれてっきり山田先生たちを納得させるためにウソついたんだと思ってたんだけど、包帯男=仁先生だと(仁先生の中で)確定したってことはほんとのほんとに頭の中にガンがあって長くはないってことなんだよね?。そこまではいいとして、南方先生がそんな状態だってことを仁友堂の人達があっさり受け止めすぎな気がするんだけど・・・。しょっちゅう頭痛発動してるからやべーんじゃねーのか?とは思ってただろうしw、他の誰でもない、南方先生自身がそう仰るんだから自分たちではどうすることも出来ないのだろう。だったら少しでも多くの知識や技術を教えてもらい、それを今後の医療に役立てることこそが自分たちに出来ることなんだと考えあえて平常心を保ってるのでしょうが、なんかこう・・・2期に入ってからそういう心の機微を感じさせる余韻というか余白というか、そういうものがない気がするのよね。展開としてはみっちりぎっちりなんだけど空気の濃度は前回ほどではないかなぁ・・・と。


で、龍馬さん。結局なるようにしかならなかったわけですが、まだタイムスリップという最大の謎解きが残ってるというのにその最終回に龍馬さんは“生きていない”んだと思うとなんだかもう・・・9割方終わってしまった気分です。だって坂本龍馬はタイムスリップに何ら関係してなかったとか・・・。
まだまだやりたいこと見たいものいっぱいあっただろうしこの世に未練ありまくりなんだろうけど、でもあんなにも穏やかな顔で死んだ龍馬さんはきっと後悔は何一つしてないんだろうなぁ。最期まで魅力的な龍馬でした。某大河のおかげでわたしの中の龍馬のイメージ最悪に近かったんだけど、内野龍馬のおかげで大分持ち直すことができました。
それにしても・・・・・・頭剃ると勘助にしか見えなさすぎて・・・・・・・・・(笑)。
あ、勘助で思い出したけど、せっかく亀ちゃんを用意したのにその死について一切語られることがなかった中岡さんってば単なる死に要員かよもったいねーなー。