『モリのアサガオ』最終話

あのさー、及川って何様なの?。親友だかなんだか知らんけど、人に対して「お前のしたことは死刑に値する」などと言う権利がどこにあるの?。刑務官だろうと教戒師だろうとそれはお前が言うべきことじゃない。いや言っていいことじゃないだろう。ていうかあんたつい昨日まで再審請求すべきだって焚きつけてたじゃん。それが死刑囚の遺書を読んだからってコロコロ意見かえるなよと。そんなもん渡瀬には関係ねーだろ。「どんな理由があれ事情があれ私的な復讐は許されることじゃないし、人の命を奪う理由にはならない。そのことを理解せず悔やみもしない今のお前は間違ってる」ってとこまでは納得できるとしてもそこで「だからお前は死刑に値する」って意味わかんねーし。だって及川は渡瀬が『本来ならば死刑ではないのに自ら死刑を望んだ理由』を知ってるわけじゃん?おまけに渡瀬が『本当は子供の存在に気付いてなかった。子供を殺したのは故意ではない』ってことも知ってるわけじゃん。知ってるどころか無理やり聞き出したわけじゃん。だからこそ再審請求を勧めてたわけでしょう?。死刑を受け入れる理由がなくなったから再審請求したいと考えて何が悪いの。確かにあの時の「俺は死刑にならなくていいんだー!」と喜ぶ渡瀬は『醜悪』ですらあったと思うけど(ARATAさすがすぎる)、それこそ渡瀬の『権利』なわけだし、そもそも渡瀬に「再審請求=死刑回避」を植え付けたのは及川、おめーだろうがと。さんざんっぱら渡瀬の心の中に土足でズカズカ上がりこみ散らかしまくった挙句「君は死刑に値する」ってほんと『あんた何様!?』の一言しかないわ。引く。全力で引いたわ。
てか及川が渡瀬に死刑を宣告した“理由”ってのは言ってしまえば『反省してないから』ってことなわけでしょう?。お前がそれを判断するなってのは別の話として、故意であろうがなかろうが二人の人間を殺した事実に変わりはないんだからそのこと自体は反省しろよと、反省しないお前に協力してやるつもりはないと、そう考えるのは心情として理解できなくはないです。他の誰でもない及川てめーが言うな!とか、だからって死刑に値する発言はねーよってのは別の話としてね。で、渡瀬が死刑になるその瞬間まで『反省』しなかったってんならまだ分かるの。渡瀬は最期まで復讐を良しとし続け、そして及川はそんな渡瀬に付き合い続けたってんならまだ理解できる。でもどの時点でかは分かりませんがその後の3年の間に渡瀬は『反省』したんでしょう?。だったらその時点で再審請求してやれよと思うんだけど。恐らくそういう話は出たんじゃないかと思うし、その時渡瀬はかつてとは違う意味で「死刑を受け入れる」と言ったと思う。だけどそこで渡瀬のためにも妹のためにも何がなんでも再審請求させるのが「死刑に値する」と言った及川の役目じゃねーのかよと。
つーかねぇ・・・思ったんだけど、及川は渡瀬を外に出したくなかっただけじゃねーのかと。渡瀬を自分だけのものにしておきたかったんじゃねーのかと思った。クリスマスの夜を二人っきりで過ごせて嬉しいとか思ってんだろオマエ?とまで思ったわ。そのぐらい渡瀬に対する及川の言動は一貫して気持ち悪かった。基本ブレまくりの及川だけどそこだけは全くブレなかったもんね。夜中に部屋を訪れ泣きながら抱き合う「直樹」と「満」をほかの死刑囚たちはどう思ってたんだろうなぁ。ラストで取ってつけたような「親友を死刑にした錘を抱えつつも刑務官を続ける及川の図」が描かれてましたが、どんだけ私語は厳禁なんつって怒ってみせても死刑囚からしたら「うるせーホモせんせい(嘲笑)」ってなもんだろ(笑)。


テレ東が激戦時間に新枠作ってドラマで殴りこみかけるってんで期待しまくりだったし、実際最初の数話はイケメンすぎる死刑囚が出るわ出るわの熱演バトルで期待に違わぬ出来だったってのに、一体何がどうなってこうなった・・・。