『エルピス―希望、あるいは災い―』第4話

いやー、予想通りに進まないわー。予想が通用しない。
あのあと恵那がベッド買ってるとか誰が予想できたよ?。

話があると訪ねてきた斎藤に抱かれたのは、斎藤が何を言いに来たのか察したうえで「言わせない」ためのことなのだろうと、そしてそこには恵那の女としての欲望もあって、ぜんぶまるっとひっくるめて斎藤を「利用した」ってなことなのだろうと解釈してたんだけど、まさかやけ酒の延長でしかなかったとは・・・。しかもそのあとベッド買ってるとか、ちょっと引いたわ。
改めて斎藤の口から「なにを言うつもりだったか」を聞き、背後になにがあるのか「知って傷つく覚悟はあるか?」と問われなにも言えないどころか自分に言い訳しつつ抱かれてるとか、恵那が思ってたより弱いってかダメ女でなー(反対に、思ってるほどデキる男ではないのか?と思った斎藤はやっぱりまだ本性を見せてないなコレ)。
そういう自分を捨てて、再び自分を取り戻すと決意しての「逃げも隠れもしませんよ」なんだと思ってたんで、明らかに様子がおかしい死んだ魚の眼をしてる岸本に言うのが「斎藤が家に来たことを誰にも言わないで」だったのにはガッカリすぎる。そら岸本にあんな目で見られるわ(あの「目力」描写はこの前フリだったとはねえ)。

でも正しさを暴走させゲリラ放送という手段に出て、被害者の姉と友人から感謝の言葉を貰い、世間から注目され数字という結果も出たことで『変われた』つもりだったのに、結局斎藤に転がされてる小学生レベルの知能しかない女のまんまであることがわかったことでキャラとしての魅力はより深まった。

キャラの魅力といえば村井チーフ。
浅川がゲリラ的に流した(天丼さんにだけは伝えてたって、シレっとそれを受ける天丼さんかっこよ!)VTRを「最後まで流すしかない」と判断したのは、流れてしまったなら話題になるしそれは数字という「結果」にもつながるだろうと見越して云わば「確信犯」的なことだったとわたしは受けとめていて、加えて“本当は流したかった”からではないかと、それは岸本の「過去」を知ってて(昔取材したって言ってたし、今の浅川&岸本のようにこの虐めによる自殺の特集をやろうとしたんだけど圧力に屈した過去があったりして)同級生が飛び降りた母校の屋上が見える場所に連れて行き、自分のなかにある欺瞞と向き合わなければ一生負け続けることになると言ってくれたことでその思いが強まったんだけど、でも恵那がベッド買うとは思わなかったし(しつこい)村井チーフの言動もそうそう予想通りには進んでくれない・・・かもな。

で、村井チーフによって岸本が抱える「過去」が明らかになったけど、岸本が自分とママを「セット」扱いにしてるのはこういう理由からかー。
ざっくりと言えば岸本が村井に語った通り“学年一の権力者である虐め首謀者の親に忖度してママとともに友人を裏切った・見捨てた”ってことだとして、ママは親であり弁護士なんだよな。そして亡くなった夫は人権派弁護士だった。この件について抱えているものは拓ちゃんよりもむしろママのほうが大きいのかもしれない。
予告のなかで岸本がひどいビジュアルになってたけど、こんな拓ちゃんに対してママはどんな反応を見せるのだろうか。

そしてチェリーさん・・・・・・。
恵那の落ち込みようを見れば“発端”であるチェリーさんの絶望たるや如何程か、ではあるけど、自殺?することはないじゃないか・・・・・・。
ていうかさ、恵那の諦めモードからしてわたしには違和感なんだよな。
現在の再審請求は六角さんの弁護士が恵那たちが事件を取り上げる以前から出してたものなんだよね?。それがこのタイミングで「棄却」となった。
それを「自分たちの取材が理由ではないか?」と考えるのはわかる。さらに言えば弁護士もそう思ってるんだろう。
でもそれが『このタイミング』だってのは、これ以上八頭尾山連続殺人事件の冤罪疑惑を放送されたくないからだと、放送されては困る理由があるからだと考えられない?と思うんだけど。池津さんの記者だって「捜査する気がないっぽい」って言ってたじゃん。それも天下の「神奈川県警」が。
起きたばかりのホヤホヤ事件があって、それが八頭尾山連続殺人事件と「まったく同じ」であるのに「神奈川県警」は動かない。これだけでも充分「ネタ」になるし、再審請求は何度でもできるんだから第3.4弾とガンガン追い打ちかけて世論を味方にすれば次は裁判所だって動かざるを得なくなるかもしれないじゃん。なんでそんなにボッキリ心折れちゃってんのさ?と。

一周回って恵那は斎藤と元サヤとなってしまい、岸本は髭面で街を彷徨いチェリーさんは自殺未遂と初回よりもひどい状態になっちゃってるけど、ここからどう巻き返してくれるのか、ますます楽しみ。