貫井 徳郎『灰色の虹』

灰色の虹

灰色の虹

ギルティ!?。
現在放送中のドラマと内容モロ被りで驚きました。(どっちがどっちを)パクリとかそういうことを言うつもりは毛頭ありませんが、主人公がなぜ復讐を考えるに至ったかってとこまで同じだもん。それが同時期に読者・視聴者の元へ届けられるという偶然にも驚き。
でもネタこそ被りまくりだけど復讐鬼となった主人公と異性の刑事の視点で若干のラブを混ぜつつ描くドラマと違い、こちらは冤罪をかけられた当時の主人公の時間と復讐する現在の時間を並行(交互)して描いているのでそういう意味での「謎」は一切なく、ひたすら主人公の悲惨さというか・・・絶望と、そして復讐される側が追い詰められていくサスペンス展開はすさまじく、それはそれ、これはこれとして楽しめました。
なんたって貫井さんなんでラストに衝撃展開が待ち構えているはずっ!と無駄にワクワクしてしまったせいかそういう意味ではややビックリ不足ではありますが・・・、冤罪は犯人とされた当人だけでなくその周囲の人間の人生をも狂わせる「犯罪」なんだってことは充分伝わってきました。