『罠の戦争』

これ「戦争シリーズ」って言うんですね。
確か1作目は韓国ドラマを下敷きにしてるとかそんな話だったような気がするんだけど、今回は完全オリジナルなのかな?。
過去2作と比べて「復讐」を決意する理由・経緯がずいぶんと薄いというかマイルドというか、ドロドロの反対ってなんて表現なのかわかりませんが、とにかくそんな感じであるのは韓国ドラマの世界観を持ち込んでないからか?と思って確認したら、2作目の「嘘の戦争」も完全オリジナル作品だったのか。とするとわたしが感じるマイルドさは時代性を理由とするものかな。
壮絶な過去・事情を背負った主人公が個人的な復讐をするよりも、突き落とされ生死を彷徨う息子のことを「事故」として処理しろと議員秘書として粉骨砕身尽くしてきた政治家にバカ息子の不正を押し付けられ(嵌められ)脅迫された主人公が、秘書仲間たちとともに「永田町」に対して復讐するってなほうが視聴者の共感を得やすいもんね。
過去2作の主人公であれば「息子の復讐」に秘書仲間を巻き込むようなことはしないだろうけど、今回は妻も含め事情を話して共に戦おうと持ち掛け「チーム戦」とした(そういう主人公像にした)のもそういうことかなと。

でも「議員のパーティに生卵を持ち込んでた」ってだけで杉野遥亮くん演じる蛯沢を「仲間」にしちゃうのは危ういよな(これは重箱の隅だけど「ここはすき焼きが美味いんだよ、卵食べ放題」と言わせながらテーブルにゆで卵が盛られてるのはどういうことよ?w)。一応それを小野花梨ちゃん演じる蛍原に指摘させてはいたけど流されちゃったし。
主人公・鷲津の設定として「一度会った(見た)人の顔は忘れない」というものがあることだし、鷲津は蛯沢のことを見知っていて、何を目的として履歴書持参でパーティにやって来たのか察してるんだろうと今のところは思ってるけど、主人公の復讐劇の障害となる可能性も充分あるように思うし(そうなると初回でサクっと「仲間」にしちゃった主人公が愚かでしたってことになっちゃうけど)、ここからどんな物語になっていくのだろうか。
突き落とされたという証言はあるけど、証言した人間も誰かがそう言ったのを聞いたってなことらしいし、現時点で主人公は「事件である」と騒いでいるわけでなし警察に手をまわして「捜査したけど事故でした」と主人公夫婦に説明させれば終わる話のように思うのに、いきなり大臣自ら土下座して「そういうことにしてくれ」なんて言うからそこに「なにかある」と主人公に確信させ復讐心を抱かせることになってしまったわけで、この“始まり”の不自然さは作劇上の仕掛けだと思ってるんだけど。

まずは原稿がすり替わってた件をどう処理するかだよね。犬飼は大臣としてはもちろん下手したら政治家としてもジエンドなんじゃないかと思うけど(でも“この程度”のことじゃ議員辞職とはならないのが今の永田町なのよね・・・)(そしてわかりやすくやらかし大臣を演じる本田博太郎がとても良いので退場してほしくはない)この先も主人公が“有能な秘書”として在り続けるためには「原稿をすり替えた」ことは(こちらはまずジエンドであろう虻川に対して認めても)認めるわけにはいかないだろうし、そこをどう乗り越えるのかで今後に対する期待値が決まるかな。