『ミュージカル シラノ』@日生劇場

出来ることなら何度か入って細部までしっかり見たいと思ったし、せめて浦井くんとの違いを確認したいとは思ったものの、スケジュールの都合やら金銭面での都合やらあって(と言い訳)、結局中河内クリスチャンの東京楽公演のみ観劇しました。1度しか見てない上にわたしいわゆる東宝ミュージカルってエリザベートダンス・オブ・ヴァンパイアしか見たことないド素人なんで、舞台の感想はとてもとても書けません。中河内クリスチャンの感想のみです。




わたし泣きました。ガウチがこの舞台に出るって聞いた時からずーっと心配やら不安やらを抱えてて、わたしが抱えたって何にもならないのは分かってるけどでもそれでも考えてしまうのがオタってものなわけで、ガウチクリスチャンの初日が終わった後フルボッコされてることをMAXまで覚悟しつつ人生で最も感想検索という行為に時間を費やしてみたら予想に反して「そんなに悪くなかった」「思ったよりよかった」と評価の程度は低けれど批判よりも評価の声の方が大きいようでウッカリ涙が滲んだりしたけど、でもでも自分の目で確かめるまではそんな評判信じないわ・・・だってガウチだもん・・・・・・あの顔であの演技であの声であのスタイルであの性格のガウチだもん・・・・・・・・ってネガティブ全開で座席についたわけですよ。そしたらものすごく良かったの。とてもとてもとても良かったもんだからガウチお前出来るじゃねえかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおって思わず泣いてしまいました。なにこのアホ可愛くて憐れなクリスチャン。複数回入れないからと原作の戯曲だけはしっかり読みこんで臨んだのですが、原作から想像するイメージ通りのクリスチャンだった。ガウチの最大にして唯一の武器はダンスであり身体の動きなわけで、その武器を使うことができないこの舞台で果たして何が出来るのだろうか(事務所アホだろ)と思ってたんだけど、『芝居』がほんっとーーーーーーーに良かったの!ガウチの台詞回し(発声)ってかなり独特だから悪目立ちしちゃうんだろうなぁ・・・って覚悟してたってのにとても素直に演じてて、そりゃやっぱり多少のクセはありつつもでもこれまでのガウチを思えば信じられないほど真っ直ぐ演じていて、舞台の内容(ジャンル)とかその中でガウチが演じてる役の好みの話は抜きにして、これまでわたしが見たどのガウチよりも良かった。この人は不注意な言動が多いので作らなくていい敵や壁やそれこそ困難を自ら作ってしまう(招いてしまう)ところがあってオタとして心底もどかしく思うのですが、それでもわたしがオタをやめずにいるのは過程に難があっても結果を見せてくれるからなのね。その点についてはガウチという人を信頼してるんだけど、さすがにこの舞台は無理だと思ってた。いくらなんでもこのレベルの舞台で結果を見せてくれるのは無理だろうって思ってた。万人が認める結果でなくわたし(オタ)が満足できるものを見せることすら無理だろうって思ってました。それがどうよ。大満足だっつーの。もちろんいくら芝居が良かったと言ってもそれは対これまでのガウチとしての話であって、共演者たちと比べたらそりゃまだまだまだまだですよ。それでも満足できたのはこれまでガウチを見続けてきて一度も感じたことがなかった「素直に役と向き合ってる」ことが感じられたからだと思う。新人らしい「素直さ」が見て取れたからだと思った。まぁこの環境でいつもの“俺は俺だから”スタンスが通用するわけないんだけどさw、発声・歌・演技すべての面でどちらかと言うと悪い風に発現してたクセがここまで矯正・・・されたわけじゃないかもだけど、少なくともこの舞台上では気にならないぐらい真っ直ぐ演じられてたからでした。なによりも心配でたまらなかった歌もまだまだまだまだまだまだ・・・なんだけど、予想よりもはるかにミュージカルらしい発声が出来ていて心底驚いた。ほんとやれば出来んじゃねーかと。いい意味で期待を裏切られました。カッコいいガウチが見られたから満足ってんでなく、心が満たされたから満足だって思えたのは初めてです。
ていうかね、クリスチャンという役がいいんだ。ガウチにとても合ってるの。自分が顔以外取り得のない馬鹿だってことを自覚してる田舎のお坊ちゃんで、勇猛にして果敢、猪突猛進、熱血をもって知られるシラノ率いるガスコン青年隊(ガスコーニュ人)の中に異人種として途中入隊するんだけど、“シラノの鼻を想像させる言葉は一切口にするな、死ぬぞ”と忠告されてるってのに、わざわざ「鼻」に関する発言を連発してシラノの話を折りまくる鼻っ柱の強さを見せるような青年なのです。で、目の前の男が愛しのロクサーヌの従兄弟だと知って「やっべえええええ!」って顔でアワアワするのがアホキャワすぎるのねw。クリスチャンがロクサーヌの愛しの人でなければ斬り殺されてたんだろうけどw、もしそうでなかったとしてもこのアワアワっぷりとさっきの発言は取り消しますって調子いいこと言いながらくしゃくしゃっとした笑顔を見せられたら苦笑いで許しちゃうかもなーって思えるような感じなの。シラノはいいところが沢山あるけどクリスチャンは美貌〜♪(だけ)って自分で歌いながらものっそい(バカ)笑顔全開になるのとか全力アホの子っぽくてめちゃめちゃ可愛いのねw。にっこーーーって笑われると思わず釣られて笑っちゃう感じなの。シラノが何か言ってる時、特にバルコニーの下で自分のフリしたシラノとロクサーヌが話してるのを口ぽっかーんと開けて聞いてるのとかほんと顔はいいけどアホの子そのもので、1度しか見られなかったけどそれでもガウチのクリスチャン像ってのが明確に見て取れた。この役のオーデ話を取ってきたカオスを初めて褒めてやりたいと思ったわw。
恋愛に関してはアホの子全開のクリスチャンですが、決めるとこはちゃんと決めるのね。シラノが上演中の舞台を中止させたその場でロクサーヌとクリスチャンが出会うんだけど(原作ではこの時既にクリスチャンはロクサーヌを好いてるんだけど、この舞台ではこの瞬間恋に落ちたっぽく描かれてた)、その混乱に乗じてクリスチャンの懐から財布を掏ろうとしたスリの手を鮮やかに捻り上げてやり込めたりするわけですよ!そこはもう唯一ガウチの持ち味である身のこなしを発揮できる場面なんだけど、ここは出来る男っぽくてめちゃめちゃ素敵。シラノの心を蕩けさせる愛の言葉のおかげでその気になったロクサーヌと接吻するためバルコニーの階段を颯爽と駆け上り、歌いながらも接吻してえええええええ!ってビームをビンビン放つがっつきっぷりもいかにも若者っぽくてよかったと思うw。
そして2幕のアラスのシーンは唾飛ばしまくりながら感情を爆発させる熱演で、その直前のシラノとロクサーヌが実は心で想い合ってると気付いた瞬間のガビーーーンって顔からシラノに自分の気持ちを伝えるべきだと訴え、そして銃撃を受け瀕死状態で戻ってきたところで「ロクサーヌは俺ではなくお前を選んだ」というクリスチャンを思ってついたシラノの嘘に安堵し、そしてそのまま息を引き取るその全てが文句なしに良かった。なんかねぇ・・・ほんっとに馬鹿というか、想いを伝える言葉を持たない(持つことができない)クリスチャンが憐れなんだよね。クリスチャンだってロクサーヌのことを心底愛しているのに、それがロクサーヌに伝わらないってのが可哀想すぎるの。ガウチが演じる役に対してここまで感情を動かされたのは初めてでした。クリスチャンの中にガウチの自我が透けて見えなかったからなのかなぁ。それでもちゃーんと“ガウチのクリスチャン”であり“ガウチ東宝ミュージカルで鹿賀さん相手に臆することなく思いっきりぶつかってる”という現実と、その結果“ガウチのクリスチャンに気持ちを動かされた”という事実に泣きそうでした。てか泣いたんだけどw。
とまぁべた褒めしまくってますが、いくつかダメ出しを。まず立ち姿がだらしない。どうしても片足に重心かけがちになっちゃうみたいで立ち姿が美しくないんだよな。顔についてはなんども「美しい」と表現されてるものの立ち居振る舞いに関しては原作でも特に描写はなかったように思うし、田舎男爵なので元々所作を含めたいわゆる“姿見”が美しいというわけではないのかもしれませんが、わたしのイメージはスタイルを含めた上での“美男子クリスチャン”なのでそこはもっと頑張って欲しい。てかロクサーヌ役の朝海さんとさほど身長が変わらないのが残念だったなぁ。結婚の儀式を行い(これ気転が利くといえば聞こえはいいですが、ロクサーヌってば恐ろしい女!と思ったw)ド・ギッシュとシラノの元へ戻ってきた時のロクサーヌとの並びが見目麗しいって風には見えないのよね。顔の話じゃなくて(笑)シルエットの話として。身長伸ばせってのは無理な話なので、もうちょっとこう・・・シュッとして見える立ち方を探して欲しいなと思いました。それと帽子推奨w。デコのヅラ境界線がまる見えで気になりまくったw。あと接吻を味わうなw。接吻しながら顔の向きを変えるとこで口をもぐもぐさせんなw・・・って双眼鏡でガン見しながらニヤニヤしてるわたし絶対変態に見えましたよねー^^


カテコで鹿賀さんに背中をポンっと叩かれたガウチの嬉しそうな笑顔が何より嬉しかったです。久々にガウチオタでよかったーって心から思えたわ。


今頃東京公演千秋楽中ですね。話には聞いていたのですが、鹿賀さんの喉の調子が舞台続けられるかどうかギリギリなんじゃないの・・・?と思ってしまうほど悪いようで、とても心配です。今日を乗り越えたら大阪公演まで1週間弱休みがあるとは言え、3.4日休養すれば回復するというレベルじゃないような気がします。かと言って誰にも代わりは務まらないお役なので・・・何とか大千秋楽まで頑張ってくださいと祈るしかないもんなぁ。そしてガウチが余計な負担をかけずに最後までアホ可愛いクリスチャンを全うしてくれますように。







おまけ*B白石様をお見かけしました。最初すれ違った時似てるけど別人だと思ったの。だってわたしとあんまり身長変わらないんだもん(11センチヒール履いてましたが)。でもいつものごとく手袋してたから絶対B白石様だったわっ。お一人でチケットを受け取りロビーで係員の男性にチケットを見せながら席の場所を教えてもらってらっしゃいましたw。あらやだ可愛い><