彩の国シェイクスピア・シリーズ第17弾『恋の骨折り損』@彩の国さいたま芸術劇場

ほぼキャストの感想なので大したこと書いてませんが、かるーく内容に触れてます



んーんーんーんー・・・・・・出来は微妙・・・・・・・・・だな。まるでメリーゴーラウンドのような華やかで楽しげな舞台で、恋におちた純粋な男たちと百戦錬磨の女たちが恋の駆け引きを繰り広げ、お互いの想いを確認しあうが不慮の出来事が起こり暫しの間離れ離れになる・・・というシンプルなストーリーにラップを取り入れたりして楽しませようという意図は感じられるんだけど、それが押し付けがましいというか、くどい。ラップ自体何歌ってるのか分からなくて、まぁ最初はいいんだけど、何度も繰り返されても飽きるだけだし、女性客をターゲットにしてるわりには下ネタ炸裂で、それはそれで有難いwことだけどあんまりセンスよくない下ネタだから、オヤジギャグ聞かされた時のようなびっみょーな空気を感じたし、セリフも全体的に早口で、ある意味言葉遊びが肝なはずなのに、肝心の言葉が瞬間的に聴こえてこなくて、ああそういうことなのね・・・と理解するまでに時間がかかる(気がつかないところもいっぱいありそう)。でも背後に大きな木がそびえる舞台は一種のメルヘン世界のようで、そこをオットコマエたちがひらひらと舞う舞台はそれはそれは美しく、とても綺麗な絵画を見てる気分でした。ええ。こんなに偉そうに文句つけときながら、観劇中ずーっと口半開きで目がハートになってたと思うわ、わたしw。というわけで、各キャストの感想です。


まずはメインカップル。ナヴァール国王ファーディナンド役の一輝ですが、これがもうもうどっから見てもマジ聖也さんwwwww蜷川さんが夜王を見てオファーしたとのことですが、まさにその通りw三人の学友とワチャワチャしてる時は全然聖也さんの面影はなく、むしろ無邪気そのものという感じなのですが、舞台の前方が階段状になってて、そこに座って片膝立てたり片肘を付いてちょっと横になったりそういう動きをよくしてて、他にも学友たちの恋に苦しむ心情を木に寄りかかりながら聞いてたり、配下の者たちによる余興を椅子に座って見るという場面があって、そん時のちょっと物憂げな表情(物語的には物憂げではなく思慮深いというべきでしょうが)や寝そべった身体から漏れまくるフェロモンや膝を組んで綺麗な指で顎をさする仕草がもうまさに聖也さん!!!!!あれは思いっきり狙ってる。さすが乙女心を解するおっさんニーナw分かってらっしゃいますwww。しかも当たり前ですけどひらひらブラウスに綺麗な刺繍のロングジャケットとかんっっっっぺきなる王子様ファッションですからマジでたまりませんwいやほんとコスプレ日の聖也さんってこんな風なのかしら・・・なんて思ったもん。一輝の声って凄くセクシーで素敵だとは思うんだけど、ちょっと細いなぁとも思うわけで、舞台だとそこらへんどうなんだろうとちょっと不安があったわけですが、これは余計な不安でした。さほど声を張ってるわけでもなさそうなのに驚くほどセリフ聞こえがよくて(洋さんや滋さんに比べたらそりゃちょっと落ちますが)、王様の威厳みたいなものはなかったんだけど、まだ若い王様らしい、頭でっかちなんだけど純粋で育ちのいい青さが伝わってきました。学友というだけあって、他の三人とさほど年齢は変わらない設定だと思うんだけど、実際は一輝だけちょっと上ということになるわけですが、年齢差はほとんど感じられなかった。・・・・・・あくまでも“わたしは”ですけどw。半分地毛で下の方はエクステだと思うんだけど、金メッシュが混じった大きめウェービーヘアもお似合いですし、9,000円のうち5,000円分は一輝見たさでチケット取った価値は充分ございました。ただねー、相手役の姫が半端なくデカイせいで、姫と並ぶと濃ゆさと華やかさは文句なしなんだけど、王様が若干ちんちくりんに見えたことも確かなわけで・・・。
ということで、もう一人のメイン、フランス王女を演じる姜さんですが、これがねー単体で見れば綺麗なんだろうけどとにかくデカイ!そして米倉涼子に似すぎ!!www。どうも一人だけオカマ(外見が)っぽいんだよな。そのデカさをあえてイジる見所もあるし、そのデカさが王女の風格というか、侍女たちと一緒になってギャーギャー言ってても主従の関係なんだなというアピールにはなってたとは思いますが、一輝との釣り合いを考えると・・・・・・やっぱデカすぎだよなぁw。侍女を演じるのが滋さんに月川くん(この二人はもはや得意ジャンルと言っていいのではないでしょうか)に女役は未経験だろうけど(当たり前かw)見た目が小動物のように可愛い中村友也くんなもんで、それに比べると女性らしい柔らかさはあまり感じられなかったけど、借金の交渉に自ら出向くほどの気の強さはガンガン伝わってきました。


一番見目麗しいカップルだったのが、須賀っち演じるロンガヴィルと月川くん演じるマライアでございました。須賀っちの役は“勇者”だそうですが、4人の中では一番真っ直ぐで真面目な人なのかな。きっとあの個性バラバラな4人を最後に纏めるのはビローンのように見えて、実はロンガヴィルだと思う。ノーブルさが必要な役だとパンフにありましたが、真面目な会話の時や、ふとした表情にノーブルさを感じるものの、恋におちちゃったよどうしよう俺・・・とオタオタしてる時は真司を彷彿とさせるような落ち着きのなさwそれがまた可愛いのよーう。黒髪で右サイドを2筋編みこんでるようなヘアスタイルも素敵。思ったよりもはるかにセリフが少なかったんだけど、喉の強さが自慢だけあって声がパンと張ってて力強いし、洋さん演じるビローンが喋りまくってる間も手や顔で細かい演技をしていたり、夜王でも一緒だったからか一輝とちまちまスキンシップしてたり雰囲気もよかった。
月川くんはあいかわらず女子そのものです。他の三人と比べると明らかに装飾品が少ないしドレスもシンプルというか地味なんだけど、ため息出ちゃう可愛さ。主に王女と滋さん演じるロザラインがギャーギャー騒いでるんだけどwさほど一緒になって騒いだりはしないんだけどちゃんと楽しんでて、でもちゃんと周りが見えてる一番大人の女らしかった。ロンガヴィルとポジション的には似てるんだろうな。だからこそ惹かれあったんだろうなぁって、なんとなく一番説得力のあるカップルでしたw。月川くんがパンフの中で“朝起きたらまず部屋の掃除をする。部屋が美しくなければ本当の美しさは出ない”というようなことを仰ってまして、あたし部屋の掃除なんてここ数年まともにしてないような・・・アハハハハハハ・・・そら月川くんに勝てるわけねーっつーの!・・・orz


窪塚弟演じるデュメインと中村友也くん演じるキャサリンカップルは初々しいというか、特に王様と王女様がこってこてのギッドキドなだけにw清潔感が溢れてましたw。そういう役柄なんだろうけど、二人とも大人しすぎるかなーという感じだった。雰囲気的には一番お似合いのカップルだったと思う。キャサリンはそばかすが残る末っ子キャラで、実際にさほど舞台慣れしてない(してませんよね?)中村友也くんの雰囲気と相まってすごくキュートだったし、窪塚弟は細身で一番背が高くて、スタイルは一番よかった。ただですね、最初のうちは眼鏡かけてたのに気がついたら外してたのには納得いかん!!眼鏡かけてたほうがぜっっっっったい素敵なのに!!!アクセントにもなるし、学者肌っぽいデュメインの雰囲気にも合ってるのに。なんで途中から外すんだろう・・・。


そしてそして、ある意味この舞台の裏主役なのが洋さん演じるビローンと滋さん演じるロザラインの喧嘩カップルですよwww。ていうか滋さん・・・そのキャラでいいのか滋さん・・・・・・www。ガングロ風(地黒?)メイクのクソ生意気なギャルで大口開けて手バンバン叩きながら「ギャーッハッハッハ」て笑うような女なのですが、とにかく強烈なのw。よりによってそんな女に惚れたビローン様って・・・・・・・・・もしかして女の趣味ちょっとヘン?w。やたらとビローンが「あの目、あの目が全ていけないんだ(あの目に惹かれてしまった)」と言うのですが、その理由なら納得できるというか、目の周りを白いラインで囲うガングロ女風メイクなんだけど、目力が凄くてキラッキラしてるし、一番の論客であるビローンと丁丁発止のやり取りをするどころか言い負かす場面もあったりして、相当頭のいい子なんだろうなぁと。ビローン様は容姿よりも中身を重視するのね!www。
いつのまにか様付けしてる洋さんのビローンですけど、とにかくもうセリフ量に圧倒されました。1幕ラストの超長セリフには鳥肌立ちそうだったもん。全体的に思わずコントかよ!と思うほどラフな感じの舞台なのですが、もちろんシェイクスピアなわけで、シェイクスピア劇の部分を洋さんが一人で担うという感じでした。ていうか洋さんがいなくちゃ舞台になんないだろwってぐらいの活躍っぷり。表情がくるくる変わるし動きもビシっとしてたりコミカルだったり色っぽかったりとほんといろんな洋さんが見れて、至福の時を過ごしました。男子チームが誓いを破り恋におちてしまったことをそれぞれ誰にも聞かれてないと思って壮大なる独り言を言いながら嘆き悩む場面があって、その場面はみんな心情を表して上着を脱いでブラウス一枚という薄着でして、その着崩し方にもそれぞれ性格が現れていたのですが、ビローンはリボンを外してボタンも2つ目ぐらいまで外すというテラセクシーっぷりでして、ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜ン★でございました。こういう色っぽい洋さんってあんまり見たことないので瞬きする間も惜しかったw。このシーンって、ビローン→王様→ロンガヴィル→デュメインの順で独り言を言うのですが、いい終わったら物陰に隠れて次の人の独り言を盗み聞きwというタチ悪いシチュエーションでして、木の陰から顔を覗かせてこまごまツッコミ入れる洋さんの顔が意地悪なリスのようでものっそい可愛かったでございます。このシーンほんと困った。木に寄りかかる一輝も見たいしジタバタしてる須賀っちも見たいし、小リス洋さんも見たいし!!!あたしに目が6個あればいいのに!セリフを喋ってる人物意外の動きも追わなきゃいけない(細かい動きをいっぱいしてるの)から見終わった後の目の疲れは半端じゃなかったですw。


というわけで、蜷川さんのシェイクスピアを求めてだとすると内容的にちょっと満足できないかもしれませんが、すごく気楽に見られるし可愛いし綺麗だし、お目当ての役者がいるならきっとすっごく幸せなひとときを過ごせると思います。2幕は上手から窪塚弟・中村友也くんカップル、洋さん・滋さんカップル、一輝・姜さんカップル、須賀っち・月川くんカップル(どっちも男子チームが右側だったと思うんだけど・・・)の順で1列目の前に座るという最前だったら昇天モノの場面がありますので、それぞれの役者のガチオタの人はもしも最前列を手に入れるチャンスがあれば全力買いすることをオススメいたしますw背中をガン見できるどころかきっと匂いも嗅げるよw。