『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』@ 日生劇場

同時期に観た舞台が激重な内容でそれに気持ちを引きずられてしまったことと、それから歌舞伎役者さんの訃報(に伴う息子の将来に対する不安)があったりして、実は1.2回目はあんまり楽しめなかったんです。楽しいことは明らかなのに、その楽しさに気持ちがついていかなくて、せっかくの舞台なのに、せっかく相葉っち頑張ってるのに、なんで気持ちが切り替えられないかなぁ・・・という自己嫌悪を抱えながら劇場をあとにしました。
でもある程度時間が経過したことと楽しまなくちゃ勿体無いと自分に言い聞かせたこともあって、千秋楽公演はようやっと心から楽しむことができました。
つーかもうみんないっそゲイになっちゃえばいいのに!!そしたらきっと暴力とかテロとかなくなるのに!!。

・・・って結構本気で思っちゃうほどラブアンドピースが溢れてた。鹿賀さん演じるジョルジュと市村さん演じるアルバンのカップルを筆頭に、カジェルちゃんたちが素敵最強すぎた。

「ラ・カージュ・オ・フォール」ってのは南仏の港町にあるゲイクラブで、夜な夜な小鳥たち=カジェルによって華やかなレビューが繰り広げられているのですが(ジョルジュはラカージュの経営者で、アルバンはザザという芸名のトップスターで二人は事実上の夫婦)、このレビューがすっごいの!!!。ゲイクラブのショーといってもネタ的なものではなくガチモンのレビューで(一部ネタもあるけどw)、二十人からなる女装したゲイたちが一枚また一枚と衣装を剥ぎ取りながらハードでセクシーでキュートなダンスを踊るんだけど、もうこのショーにチケット代全部払ってもいい気分!!。「小鳥」っつーかむしろ「孔雀」状態wから最終的に白燕尾にレオタードというヅカのような格好になるんだけど、マジ圧巻。主役のお二人とその息子である相葉っちの関係性とそんな息子が結婚したいと言いだしてドタバタするってなざっくりあらすじ以外何も知らなかったんで、いきなりド迫力のショーが始まったんで驚いたわー。つーか新納さんの喉どうなってんだよ!??(最終的に千秋楽では「8分押し」にw)。なんだかんだで3分の1ぐらいはショーを見てた感じだけど(時間的にはそうでもないけど特濃だからさーw)、これは何度見ても楽しめるし何度でも見たいと思うわ。さすが名作ミュージカルと名高い作品だなと。

で、こんなに素敵なレビューを見るキッカケをくれた相葉っち。日生劇場東宝ミュージカル)で前回育三郎くんが演じた役を相葉っちが演じるってだけでも信じられないのに、鹿賀丈史市村正親が夫婦で二人に愛されまくりの息子役って、なんでそんなあらゆる意味での大役を相葉っち!??って驚きや不安よりも疑問のほうが大きかったんだけど、これがまぁ・・・・・・相葉っち史上1.2を争うハマリ役で!!!。

相葉っち演じるジャン・ミッシェルはジョルジュが犯した“たった一度の過ち”によってできてしまった息子なのね。でもジョルジュはもちろん、その妻であるアルバンにとって“最愛の息子”なんです。
そのジャン・ミッシェルが3週間ぶりに帰宅したと思ったら、突然アンヌという娘と結婚すると宣言するんだけど、暗転ののちリビングのソファーに寝そべってるってな登場で、もうね、この登場シーンの華やかなことといったらっ!!。そこにジャン・ミッシェルがいるだけで舞台上の彩度が上がるんですよ。もちろんジョルジュやボーイを雇ったつもりなのにメイドだと言い張る(この人もゲイ)ジャコブがジャン・ミシェルを“そういう存在”として可愛がってるのがわかる(そういう演技をしている)ってのはあるんだけど、それがなくともまるで太陽のごとき華やかさなの!!。

つーか白シャツに白パンツに白セーターに白シューズという服装をこうまでナチュラルに着こなせる相葉っちの異次元スタイルってば・・・・・・っ!!!(2幕ラストでディンドン(笑)夫妻とアンヌも巻き込みショーを行う前、パパのお着替えを手伝う(ジャケットを着せてあげる)ジャン・ミッシェルの後ろ姿が足長いわ颯爽としてるわで超カッコいいの!!!)。
幕間で観客の話を耳ダンボで聞いてたんだけどw、とにかく「顔小さくて足が長くてスタイルいいわねー」と相葉っちのスタイルを褒める声を多く耳にしたし、あと「ジョルジュ(鹿賀さん)の息子って感じがするわー」とか!。

鹿賀さん演じるジョルジュはダンディでエレガントでチャーミングなんだけど、その遺伝子を受け継いでる感は確かにある。喋らなくとも父と息子であることに説得力があるんですよ。これは無駄に(笑)華やかな相葉っちだからこそのものだと思う。いつもいつもキラキラの相葉っちだけど、そのキラキラさがこうまでストレートに反映される役というのもそうそうないんで、ほんとハマリ役と言っていいと思う。

そんなジャン・ミッシェルは無邪気で残酷なんですよね。結婚相手のアンヌと両親が僕の両親に会うためにやってくると、だから産みの親を呼んでくれと、その間アルバンにはどっかよそへ行っててもらいたいと、20年間愛を注ぎ育ててくれた“母”であるアルバンに対し、つやっつやの唇でそんなことを平気で言えちゃう子なのです。それがどんなに酷いことなのか父親に説かれても「だってたった一晩のことだよ?」とかキョトン顔で言っちゃう子なの。でも悪気は一切ない。それがアルバンをどれだけ傷つけるかなんて全く解らない。考えもしない。自分はアンヌと結婚したくて、そのためだったらジョルジュもアルバンも何でもしてくれるだろうと当たり前に思ってるだけで、そこに傲慢さや我儘さはないんですよね。とことん天然な自己中ってだけで。だから事情を聞かされる前のアルバンに対し「ごめんねっ☆」なんてまさに語尾に☆ついてるようなチャラ可愛い謝罪の言葉を言えちゃうし、それで済むと思ってるんだよね。で、実際それですんじゃう。やれやれ仕方のない子だなーって思わせちゃう。ジョルジュとアルバンのみならず観客にもそう思わせちゃう。そう思わせるだけの愛らしさ、愛され感が絶妙で。
これ結構難しいと思うんですよ。発言自体は結構酷いのに、ジャン・ミッシェルが少しでも「いやな子」「わがままな子」に見えちゃったらダメなわけで。でもそこを相葉っちは持前のキラキラ感でもって上手く演じてた。

それからなにより歌が良かった。ジャン・ミッシェルが歌うのは2曲なんだけど、曲自体の良さもあるけど相葉っちの!歌声が!!もんのすごいレベルアップしてる!!!!!!!!!!!!。
え?なんで?なんで相葉っちこんなに歌うまくなってんの?????。
喉の拡げ方なのかなぁ?歌うとき、喉に管が通ってそこから発声するイメージだとして、その管がこれまでよりも倍ぐらい太くなった感じで、声量も増したし声自体も響くようになったし、マジでなにがどうしてこうなったのかと!!。
やっぱ鹿賀さんや市村さんや新納さんと同じ舞台に立っているから、なのかなぁ。すごい人たちと共演してる成果がこの歌声なのだとしたら、ファンとしてこんなに嬉しいことはないです。

相葉っちのジャン・ミッシェルが無邪気な天使として成立したのって、恐らくこの歌にあるのだと思う。1曲はアンヌへの愛を、2曲目は自分がどれだけ愛されているのか、ジョルジュとアルバンがどれほど自分を愛してくれているのかを改めて思い知ったと歌うんだけど、どちらもジャン・ミッシェルの真っ直ぐさが伝わる曲なのね。これをしっかり歌えたこと。それがジャン・ミッシェルが「良い子」であるという印象を与える最大の要因だったと思う。
トータル7.8回あったんじゃないかなぁ?もう総立ち&拍手が鳴りやまないカーテンコールで相葉っちはアンヌ役の愛原実花さんと握りあったほうの手で小っちゃいものの力強いガッツポーズしたんだよね(愛原さんがビックリしてたw)。トプコ公式(スタッフ通信)で相葉っちがいろいろあった稽古中に“自分で乗り越えるしかないから”とつぶやいていたと書かれてて、これだけの劇場これだけのキャストに単なる一ファンであるわたしですら慄いたわけでさ、相葉っちにかかるプレッシャーたるや如何ほどのものだったのだろうかと改めて思ったんだけど、千秋楽のあの心からのガッツポーズはその成果、全部じゃないかもしれないけど確実に乗り越えた、やり遂げた証しだよねと、そう思えることが本当に嬉しいし誇らしいし幸せ。

でも今回わたしにこれだけの幸せな時間をくれたのは相葉っちだけではないのです。そうです、鹿賀さんと市村さんです。
お二方とも素晴らしかった。もうジョルジュとアルバンのイチャイチャを観てるだけで幸せだったし、愛する息子の結婚に立ちあえないことを知ったアルバンがステージ上でザザ様ではなくアルバンとして思いのたけをぶつける1幕ラストは圧巻だったし(歌い終えウィッグをむしりとってステージを降り客席をずんずん歩き去る凛々しさよ!)、ジョルジュは台詞は時々聞き取り辛いところもあるもののいざ歌いだしたら蕩けるような美声で、そりゃなんだかんだでアルバンを丸め込んじゃうのも納得ですよ!だし、二人のラブっぷりを思いだすと今でもニヤニヤしちゃうもん。とにかく可愛くて素敵でした。こういう人たちと同じ作品に出られることが相葉っちにとってどれほどの財産になるのだろうか。
「多分、またやります」とのことなので、どうか次も相葉っちが出られますように!!(次はカジェルちゃんにも全力注目したい!)。