大沢 在昌『Kの日々』

Kの日々

Kの日々

3年前に起きたヤクザの組長誘拐事件。犯行グループで唯一表に出て身代金受け渡しをした中国人の男が東京湾に浮かび、八千万円の身代金の行方は未だ不明。中国人の男には「K」という日本人の恋人がいた。裏街道で探偵を営む・木は犯行グループの依頼で「K」の身辺を探る。「K」は死んだ男を思い続ける聖女か、それとも事件の首謀者なのか。パズルのピースが揃ったとき、驚愕の結末が待ち受けていた。


いつものようにはいはいハードボイルドハードボイルドという感じですが、事件の構図や計画した黒幕は誰か?という謎の部分がしっかりしているので、謎解きモノとしても結構楽しめました。
物語の鍵を握る「K」は相変わらず物事に動じないクールビューティな女なのですが、これがなーんかイマイチいい女には思えない。かなり頭が切れる女のように描かれているわりには中国人男に対して盲目すぎるように思うし、それでいて最後まで自分の想いを貫くわけでもなく、中途半端。そんな女に振り回される主人公の木までもれなくつまんない男に思えてしまう。最近大沢さん女描くの下手になってきたような・・・。
カズオはなかなか素敵キャラでした。