- 作者: 香納諒一
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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口の利けない女と車椅子の老婆、元レスラーの大女にハゲの小男と、言い方は悪いですが社会的に弱い人間によるハードボイルド。これはちょっと珍しいかも。まぁ超能力に戦時中の秘密機関なんて要素が入るので、真っ当なハードボイルド(というのがどういうものかと聞かれると答えに詰まりますが・・・)とは言えないけど、心はハードボイルドということで。大女の夏子とハゲ小男の春男児の関係のキャラと関係性がとても良かった。てっきり夏子と純が宮里というオトコマエの医者を巡ってギクシャクした関係になるのかと思いましたが・・・。それから仁義に篤いヤクザの女であっただけあって、絹代さんも定番の設定ではありますが、素敵でした。大石組(絹代の旦那の組)がこの件とどう関わっていたのか、そこらへんの書き込みが不十分だったのが残念です。そこまで書いてくれるとヤクザ小説としても楽しめそうだったのにな。
中野学校だの秘密機関だのとくると、つい京極堂を思い出す。雰囲気は全く違うけど。