- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03/14
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軽くネタバレ含みます
はぁーやっと読み終わりました。疲れた。今までにも増して漢字が多かった気がする。どうして人物表を付けてくれなかったんだ、文芸春秋。
これまでの福井作品は、専守防衛、国防というものに対して考えさせられるけれど、やっぱり現実的ではないスペクタクルアクション小説として読んでしまうわけで、それこそキャラ萌えであり、ミサイルをボカンボカン撃ちまくるところに興奮するのが楽しかったもんですが、ローズダストは赤坂やお台場での大規模テロというかなりリアリティのある設定なもんで、なんかちょっと単純に楽しめなかった。しかもそのテロという最低の行為を正当化しようと洗脳のごとく言葉を連ねておきながら、最終的には結局それかよ!というオチでちょっとガッカリ。お台場を守る為に必死で戦うSOFや警察の人たちをバンバン殺しておきながら、ローズダストを完全なる仇役にせず、彼らも被害者なんだ的な扱いになってるから、なんとなく納得いかないというか無理がある。本当の悪は、危機はすぐそこにあるというのに対処できない(しようとしない)現代日本であるということなのだろうけど。つーかコレ、時間の流れとしてはイージスの後ということになるわけなんだけど、結局あのことがあっても何も変わってないということなのですか!?宮津艦長の思いは届かなかったのですか!?と悲しくなった。結局そういうところが日本の問題点ということですか。相変わらず哀しい過去を抱えた人間不信の美形な若者とオッサンが心の交流をしつつ大活躍!ってな話なのですが、イージスが書かれた7年前(もう7年前!?)とは国防というものに対する意識の差や情勢の変化というものがあるわけで、羽住一尉テラモエス!!!とか言ってる場合じゃないよなホントという気分。って言ってますけど。
ということで。いやー羽住一尉いいわぁ。長身でクール、ヘリパイとして超一級かつどんなにアクションしてもスーツはピシっとしたままなんて好みすぎる。若いオトコマエキャラとして朋希と一功という存在があるわけですがどっちもイマイチな分、萌えどころは全て羽住一尉が担ってくれてます。あとチヨダの校長こと千束も良い。土下座と鈴原を落とした場面はその胸中を思うと胸が熱く、苦しくなった。並河も古森も良かったし、今回はオッサン大活躍。
朋希と一功がイマイチなのは、この話の肝である堀部三佳という二人が共に愛した少女に全く魅力がないことが原因でして、“新しい言葉”を持つ少女という割りにはその言葉に力があるようには思えなくて、これだけ大それたことを言ってしまえばこの少女の為に行ったということに対しての説得力がないんだよな。だからそんな三佳にこだわる朋希と一功は、なんだかガキだなぁという印象を受けた。どんなに仰々しい言葉で言い繕っても、この二人の関係って結局女の取り合いなんだもん。
もう一人のヒロイン、戦闘マシーン美少女担当の留美には萌えた。すこぶる萌えた。もしかしたら福井作品史上最強じゃないか?ってぐらいなのに、その留美が恋し尊敬する一功の凄さはやっぱりピンとこない。そうなんだよ。一功の凄さがよく分からないんだよなぁ。これまでの福井作品の戦う少年達は、想像しようとしなくてもその動きが浮かんだのに、一功も朋希もそういう感じは受けなかった。まぁ代わりにオッサンたちが頑張ってたからいいけど、でもやっぱり物足りない。惜しいなぁ。
文春で連載してたのを読んでたのですが、やっぱガーッと読まなきゃ福井の醍醐味は味わえないねと思いました。
ダラダラ感想書きましたけど、一番の萌えどころは
『729SOF』
これですよこれ。そんでもって最後に朋希を助けに来てくれたのは平さんだって信じてるよ。
全然消化できてないから、来月になったらもう一回読もっと。