- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本
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いやほんと、大まかな感じとしてはそんなこったろうなーと思ったまんまの真相でそういう意味ではこう言っちゃなんですが大した話じゃないのに、そこに至る過程の濃密なことといったらもうね・・・すごすぎて読みながらちょっと引いた。
3部は副題に「法廷」とあるように、ついに始まった学校内裁判がじっくりみっちり描かれているのですが、検事側・弁護側双方が下準備する様子(調べた内容)は2部で描かれているので法廷の場で所謂「新事実」はそうそう明らかにならないわけで、だからまぁ単調ではあるんですよ。でもそこでこれまでは“視点”にならなかった人物にその役目を与えることでリズムを変えてたり、いくら頭がいいとは言えどさすがに中学生がこんな言葉遣いしないだろうとか遣り取りが高度すぎないか?とか思ってしまうところを廷吏・ヤマシンの朝廻りや陪審員たちの会話を使って“普通の中学生”の様子を挟むことで上手いことバランスを取っているので飽きずに読める。
ていうか3部は廷吏・ヤマシンを筆頭にキャラの魅力が全開なんですよ!!。特に判事・井上!!!。もおおおおおおおおおおおおおおおおお井上ラブすぎて私ヤバイ(笑)。これまででも既に萌えキャラすぎるというのに判事だからと黒いマントを用意した・・・・・・のはいいけどそれ美容院でカラーするときに着けられる黒いビニールのマントってその時点でもヤバイのに素材的に風通さないから汗かきまくりで誰よりも汗臭く、挙句あせもできちゃうとか何それズルい(笑)。それでいて銀縁眼鏡光らせて「俺を舐めるなよ」なんて凄んじゃったり、その上グラマーで美人な姉ちゃん持ちとかどんだけ盛れば気が済むのかと!!!。
これだけの登場人物を誰一人記号扱いにせずしっかり書き分け主要人物には萌え要素もガンガンぶち込み、そしてこれだけの分量をグイグイ読ませる作品って他にあったかなぁ・・・と考えたんだけど、歴史モノは別として、私がこれまでに読んだ作品としては小野不由美さんの屍鬼と福井晴俊さんの亡国のイージスぐらいですよ。どちらも私にとってはオールタイムベストと言い切れる作品ですが、これもそこに並ぶわ。