
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: 単行本
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なんかいろんなものをちょっとずつ摘んでみましたという感じ。思い出したくない過去を持つ主人公の女刑事、女刑事を上司としても女としても慕う部下、悪徳刑事、虐待による人格崩壊、公開殺人ショー、そして真犯人(黒幕)。どれもオリジナリティというか目新しさはないんだけど、ミックス具合は悪くない。警察小説というほどガチガチでもなく、サイコ小説というほど猟奇度が高いわけでもない、適度にエンターテイメントしていて読みやすかった。
主人公はノンキャリながら27歳の若さで警部補になった女刑事。しかも警視庁捜査一課の主任。本から得たイメージでしかありませんが、いくらなんでもありえねー!と思うんだけど。こつこつ物証等の材料を集めて捜査するタイプではなく、直感で犯人に辿りつく女刑事にありがちなタイプでして、死体が最期に見たものを知るためにキスできるぐらいまで死体に顔を寄せその目を見るというのを儀式にしてるあたり、最近見たドラマの女刑事と被りまくり。しかしどうしてこの手の女刑事ってみんな美人なんだろうか。そして必ずと言っていいほど犯人に「殺すにはもったいない女だぜ」とか言われちゃって犯されかかるんだよなー。たまには仕事はバリバリできるものの、女としての価値はゼロに等しいブスな女刑事がいたっていいと思うんだけど。
事件の真相と犯人は早々に読めてしまうので、ミステリ的な面白さはそれほどありません。最初に書いたように登場人物もどこかで読んだようなタイプの人物ばかりなので、キャラ萌えもできそうにありません。でもそれなりに楽しめて一気読みできた。そんな感じです。