- 作者: 奥田英朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/21
- メディア: 単行本
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私は帯にある“こんなお心あたりのある方に、よく効きます”6項目中、3項目が当てはまるという直球ど真ん中ストレートな30代OL(一応)です。そんな私は、えーっと、こめかみヒクつかせながら読みました。いくら小説の中とは言え、正社員でもないあたしに比べりゃ一人で生きてくという選択肢があるだけまだマシだっつーの!こちとらいつ契約解除されるかビクつきながら働いてるっつーの!!キィィィィー!!!と叫びたい気分。あれよあれ。anegoってドラマ見た時に感じた気分と同じ。一流企業に勤める30代女の仕事や恋の悩みに、社会の底辺、歯車中の歯車なあたしが共感できるわけねーだろって感じ。お話なんだからそんなにプンプンすることないじゃんって思うんだけど、奥田英朗は上手いんです。面白いからついつい心が反応してしまうのです。
奥田英朗ならば、こんないかにもな“30代キャリアガール”じゃなくて、もっとリアリティのある30代OLの心を描くことが出来ると思う。でもあえて「こんな女、滅多にいねーよ」という設定にしたのは、結構厳しい日々を送る女子の皆さんが本の中にまで現実を持ち込むことのないようにという優しさと、若いだけが女の魅力じゃない、そう思ってちょっと周りを見回してみれば、違った視界が広がる・・・・・・かもよ?というエールなんだと思う。
なんて、そう思いたいだけなんだけど。