- 作者: ヒキタクニオ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 単行本
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消し屋(今回は“将司”と名乗っている)の物語なんだけど、それ以上に、余りにも能力が高すぎる故に特殊な人生を歩むしかなかったターゲットである天才“天願”と、消し屋を愛するが故に女ではないことに絶望し続ける身体は男で心は女の“蘭子”の物語。策を弄して自殺させるという設定なので、天願と将司の直接の絡みはかなり地味。いつも以上にターゲットの内面に入り込まなきゃならないということで、半分以上が天才・天願の過去を描いているのですが、書いてることはいつもと一緒。せっかくの天才なんだから、もっと全然違う世界の話にすればいいのにと思った。歴史や住民性など、沖縄って独特の要素があると思うんだけど、そういうのはほんのちょこっとだけ関わってるだけで、特別意味はない感じ。取材にかこつけて沖縄に行きたかっただけなんじゃ・・・と邪推。
かなりマンネリ化してきたしもういいかなぁと思うんだけど、次は今作に出てくる13歳の天才少女が消し屋と行動を共にするみたいなんで、ちょっと違った展開(少女を後継者にするとか)になるかなぁとも思ったりして結局次も読むんだろうけど、でもやっぱり同じな予感。