デニス・ルヘイン『雨に祈りを』

雨に祈りを (角川文庫)

雨に祈りを (角川文庫)

パトリック+アンジーシリーズ第5作。これを読んでしまったら、現在続きは発刊されていない。もったいないので一呼吸おいてから読んだ。パトリックの依頼人が半年後全裸で投身自殺を図った。裕福な家でなんの苦労も無く育った無垢で幸せな女といった印象だったのに、何故そんな行動を取ってしまったのか。自分自身に納得させるため、調べはじめるパトリック。そこに明確な意図の存在があることが明らかになり、パトリック、アンジー、ブッバが戦いを挑む。ブッバファンにはたまりません。全編ブッバ大活躍。ブッバが主役といっても過言じゃない。戦闘マシーンとしてとうとう本気だしてます。前作と比較すると内容としては小粒だと思う。でもその分会話のテンポがよくて、1作目で感じた探偵モノとしてのおもしろさを思い出した。アクションもそれはそれでいいけれど、会話(頭脳と口)での勝負もまたいいのだ。
しばらく続きをまたなくちゃならないと思うと、シリーズモノって好きだけど、好きじゃない。