- 作者: デニス・レヘイン,Dennis Lehane,加賀山卓朗
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
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とてもとても哀しい話だと思う。きっかけはほんとうに些細なことで、それがある事件を誘発し、25年経ってどうしようもない悲劇となってしまう。最近映画化されていて、あらすじは先に映画の情報として仕入れていたわけですが、これほどまでに重くて哀しい物語だとは思わなかった。娘を殺された父親、容疑者、事件を調べる刑事、それぞれの25年間に重みがあり人との関わりがあり、でも少なからず11歳の時のあの事件の影響を受けている。支配されている。一つも無駄なエピソードなどなく、一人も無駄な登場人物がいない。3人それぞれの思いが物語を追うにつれて沁みてくる。話の流れ方がすごく美しいと感じました。3人それぞれ満遍なく徐々にキャラクターが完成されていくんです。ホントに上手い作家だなぁ。しかもミステリーとしてもかなり面白いと思います。物語を追うのに集中しすぎて、ばっちり見逃していたわけですが、結末に近づいてくると綺麗に張ってあった伏線に気づいて「うわぁーそれだぁ」と感動してしまったぐらいです。とはいってもその味は微妙に苦かったりするわけですが。映画を見る前に原作を読まないと気がすまない派なので読んだのに、映画どうでもいいや〜と思ってしまいました。オススメします。