『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか』第10話

九州といえば男尊女卑が根強い土地柄というイメージだし、カミングアウトはできたとしても「二度と家の敷居は跨がせねえ!」などと言われてしまうんだろうなと思っていたのに、両家の顔合わせどころか仲人を沖田夫妻に頼みたいなんてところまで一気に「結婚話」が進んでで拍子抜けってか、わたしが見たかったのは「両親を説得する円先輩」なんだけど・・・。
まあ円先輩はこの作品の中心(沖田家)の一つ外側の大地のさらにもう一つ外側のポジションだからそこに時間を割くことは(役者を用意しなければならないし)できないのは解るけど、そこを見せてくれないと「父親」に「現実社会」について真正面から言われてしまったと悩む大地に「言えることはなにもない」だなんて、なんで先輩がそんなことを言うのかわかんないじゃん。わたしはわからん。
他人に言われるのではなく自分自身で答えを出さなきゃ意味がないってことならそう言ってやれよと。円先輩やっぱり1か10かしかなくて翔より危なっかしいわ。

わからないと言えば、静さんが本来の自分を隠して相手の好みに合わせる(そして利用される)ための協力をしてしまったと相沢さんに相談する大地が「モヤモヤが晴れた!」ってなニュアンスで「行ってくる!」とダッシュで向かったのは当然静さんのところだと思ったのに、大地のところだもんでびっくりしたわ。え?静さんの話してたのになんで大地?って。
自分が感じていたモヤモヤはお父さんの大地さんに対する遠慮と同じだと解ったからお父さんの代わりに大地さんに言わなきゃと考えたであろうことはわかるんだけど、そこで静さんではなく大地さんのところに走っていくってのはちょっとわからん。
と思ってたら大地父に「そんなふうだとさぞかし親は苦労してるだろう」などと言われてて、喫茶店で息子に語ったことは「偏見」ではなく「現実」で、だから大地に刺さったんだろうに他人の子供にはゴリゴリの偏見でモノを言うんだ・・・と、この流れが無理やりすぎてせっかくここまできれいに積み上げてきたものが台無しとまでは言わないけどちょっと崩れてしまった気がするな。

静さんのためにメイクの研究をする大地のところに駆けてってデスクに前手をかけて後ろ足で立つ芸達者すぎるカルロスですが、予告のあとに流れる「来週のカルロス」が病院の診察台の上でご飯食べてる図っぽいんだけど、沖田家全員揃って家を空けなきゃならないから美穂子さんの病院で預かってもらうとかであってくれよな。