『王様に捧ぐ薬指』最終話

ブコメ嫌いのわたしが最終回まで見続けた理由はただひとつ、『東郷の母・静の目的を知ること』にあったわけですが、『東郷だけが生き甲斐だから』で片付いて(片付けられて)しまって呆然としたよね。

愛する人とその人との間に出来た子供を捨てて親の意に従い新田家に嫁いだ静にとって東郷の存在が、東郷の母であることが「新田静」として生きるアイデンティティだということはまあわかります。それなのにその東郷がいきなり「結婚相手」を連れてきて結婚してしまったことでそのアイデンティティが失われてしまうと思い東郷の結婚相手をあれやこれやと攻撃することで「東郷の結婚」をぶち壊そうとしたのだということもまあわかったよ。
でもね、それにしちゃあ静のやったことはあまりにも悪辣すぎるだろうと。“東郷の結婚相手の父親の友人”というほぼほぼ無関係の人間が経営する会社を倒産させるってのはいくらなんでもやりすぎた。

東郷と桜庭に「これからもずっと僕たちはあなたの息子です」と言ってもらえて憑き物がおちましたって、他人の人生をぶち壊しておいてハッピーエンドやってんじゃないよって話。

でもまあそんな話でもなんとなく〆てしまうのが松嶋菜々子なんだよなー。
あれだけ拒絶してたというのに「会いたかった」といって新を抱きしめるわ、なぜ「事実婚」を選択したのかわからないけど(宣伝目的で契約結婚してラブラブ夫婦を演じて世間を欺いていた手前「今度こそ本当の夫婦になります」とは言えないから?)東郷と綾華の改めての結婚式に参列してるわ、これまでにしてきたことを一切謝ることなく「静の気持ち」ひとつでハッピーエンドに持ち込むという荒業ができるのは松嶋菜々子だからだろう。

あとはネギ。わんこが可愛ければ大抵のことは流せるし許せるのがわたしだ。