『罠の戦争』第10話

もはや復讐そっちのけで権力に囚われてしまっているんだろうなとは思ってたけど、弱い者を救える力が欲しいと言いつつ(それを理由にしながら)鶴巻の弱みを握ることしか頭になく陳情は秘書に丸投げって、「弱い者の味方」イメージで活動してるだけに犬飼よりも「酷い代議士」になってて「あーあ・・・」とため息しか出ない。蛍原にまで疑いの目を向けたのにはドン引いたもん。

それがキッカケでカミングアウトする気になった蛯沢が怪文書の「犯人」であることがわかったけど、ほんとに「パスワードを調べるために小鹿が鷲津の机を漁ったときに引き出しにしまわれてる兄貴の陳情記録を見たから」ってなことで、“代議士の机の引き出しを断りもなく開ける”という代議士相手でなくともやってはならない行為の不自然さについてあれこれ考え「鷲津の仕込み」なのではないかと、そこに一縷の望み的なものを託してたんだけどそんな希望も打ち砕かれたし、この状態で残り1話となるとそれにより憑き物が落ちることになるとしてもこれもう「全て失うEND」しかなくない?。

妻子の気持ちはだいぶ離れてしまってるし(息子にこうまで言われても正気に戻らないならほんとにもうダメなんだろうな)、熊谷には顔も見たくないとまで言われちゃってるし、鷹野ももう「友達」ではいられない・いてくれないだろうし、総理にも出る杭として打たれちゃったし、そんな鷲津に引導を渡すのは結局蛯沢眞人になるのかはまだわからないけど、そもそもの話として眞人の「恨み言」にわたしは共感してないんだよな。

経営状態が苦しいからと地元選出の議員になんとかならないかと頼みに行ったら「善処します」と秘書に言われて助けてもらえると思ったけどなにもしてくれなかったから過労死したってのは独りよがりな「事情」だと思うわけで、眞人も秘書として政治の世界で働くなかでそれを理解できるようになってたから気持ちを切り替え鷲津のために働こうとしてたけど、鷲津が「変わってしまった」から許さないことにしましたとかそれもまた一方的ではないか?と思えてしまうもんで、息子の復讐を掲げて突き進んできた鷲津の物語が眞人に復讐されるという“因果応報”で終わるのだとしたら、予想通りではあるけどモヤモヤが残りそう。

でも最後に「大逆転」がありそうな煽りだよねえ?。
なにを「逆転」するのかすらもはやわからなくなってるんだけど、鷹野には最後まで鷲津の盟友でいて欲しいので、鷹野と共になんか企んでた(鷹野と揉めたのも仕込みです)ってことだといいな。仕込みだとしたら可南子の前で揉める理由がわからんけども。


しかし「人のためになりたいと願い、感謝される快感を覚え、もっとそれを得るべく力を欲し、少しずつ「悪」と呼ばれるようになっていく」という鶴巻のお言葉は重みがあった。
なんだかんだで鮮やかな引き際だったし、結局鶴巻には「負けた」のだとわたしは思う。