『どうする家康』第11話「信玄との密約」

まさか回想ですら連龍と田鶴がどんな夫婦だったかを描かないとは思わなかった。
それどころか城に籠城して抵抗し続ける理由が「私の夫も瀬名の夫も今川を裏切った。許さん」って、なにこのイカレ女。

ここまでの田鶴には「関口一家が逃げようとしてることをチクった女」であり「夫のこともチクった女」という印象しかなく、そこで「瀬名のため」を動機とするならば、田鶴にとって(氏真は別格として)一番大切な存在は瀬名だというのならば、「関口の見張り」という役目を与えられたときにもっと瀬名との関係をしっかり掘り下げておくべきだった。このドラマの田鶴に単なる「瀬名の友達」という設定以上の何かを見て取ることなどわたしにはできなかったもん。あとから「実はこんな関係だったんですよ」と言われてもいやそんなの知らんがなとしかならない。

挙句『この家康』に女達相手に戦をさせる(そして女達を皆殺しにさせる)わけにはいかないし、“こんな動機で家臣たちに戦いを強いる田鶴”という見え方を極力避ける狙いもあるのかサクっと田鶴を殺して終わりにするにしても、家臣に気合い入れたあと城門を開けたかと思ったら先陣きって突っ込んでってあっさり射殺されるって、いくら戦の経験などない女のすることとはいえ(家臣含め)バカなの?と、こんなの撃った徳川方も「ええ・・・」って引くだろ。

この感じだと次回の氏真も無心で見なければいよいよわたしの心も折れそう・・・・・・。


座ってるだけだとコントにしか見えなかった阿部ちゃん信玄は(他のパートが酷いせいもあって)動きだしたらオーラがあって良いです(回想シーンで田鶴と瀬名が仲良くお団子を食べてるのに対し引間城を落とし駿河を「分け合おう」と言いつつ家康がひと齧りしかできないお団子の残りを一口で丸のみにする信玄ってのは良い描写だった)。背中合わせで△に座る家康と忠勝と康政がまるで子供に見えるもんな。武田の赤備えに勝てる気がしねえ!。