『罠の戦争』第9話

今の鷲津は息子の復讐から鶴巻を幹事長の座から引きずり下ろす(権力を奪う)ことに目的が変わってしまってる状態であることは理解してたけど、悪徳政治家ムーブのスピードがあまりにも速すぎてついていけなくなってきた。

これまでの作劇だとパワハラ記事への圧力もパーティ資金水増しの責任を貝原一人に背負わせるのも健康に問題がある幹事長にプレッシャーをかけて記者の前で倒れさせたのも「実はこれこれこういう仕込みでした」という種明かしがあって、それによりスカッとするとは違うんだけど「してやったり」な気分にはなれていたけど今回はそういうものはなく、ただただ政治家・鷲津亨が黒くなる様を見せられ続けるだけだったのでこれまでとはまた違うストレスがたまるわ。

退院して帰宅した時こそ家にいたけど病室には鷲津の姿がなかったし、「お父さん」と「もう一回言って!もう一回!」と意識が戻ったばかりの息子に甘おねだりした鷲津はどこへ行ってしまったのだろう。
でも鷲津が「変わってしまった」というわけでもないと思うんだよね。鷲津にははじめから「そういう面」があった、ということなんだと思う。

ところでタブレット?の調子が悪くてパスワード入力が必要だからってんで鷲津のデスクを漁ってたけど、「大体このへんにメモが貼ってある」というのはおじさんあるあるだとしても事務員が秘書相手ならともかく「代議士」のデスクの引き出しを勝手に開けるってのはいくらなんでも不自然な描写だよね。
で、それは今の時点では視聴者に「この時蛯沢が「兄の陳情記録」を見てしまったのだろう」と思わせるためで、つまり「怪文書をばらまいた」容疑者に蛯沢も含ませる目的だと推察するけど、これほど不自然な描写にしたことには理由があると思うんだよな。
どんな理由かと言えばそれは「鷲津の仕込み」だからだと、「パスワード探しと称して俺の机の引き出しを開けて」と言われたからなのではないかと、それであれば小鹿の行動が不自然ではなくなるし、そういうことなら蛯沢が陳情記録を見たということもないんじゃないかな。まあ蛯沢は最後の最後で「(鷲津さんが担当者だったって)知ってましたよ」と言いそうだけど。

これが鷲津の仕込みだとしたらじゃあ一体なにを目論んでいるのかってことになるんだけど、それは今回の悪行とあわせて次回以降に種明かししてくれるんだと思ってていいだろうか。9話まできたというのに未だこのドラマのゴールが見えてこない。