『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン48話「9にんのドンブラ」

まあなんやかんやで戻ってこれるだろうという確信はあれど早い段階で、というかタロウが“雉野に続いて”ヒトツ鬼に吸い込まれてしまったのにはちょっとばかり驚いたんだけど、ソノイソノニソノザのドンブラザーズ入りを最も強く拒む猿原の気持ちを変える、というより猿原をソノイたちと「共闘せざるを得ない状況」を作ることで「脳人を認めるキッカケ」にするタロウの作戦であり、それを犬塚もソノイも「理解してた」という話それ自体はここまで積み重ねた「信頼感」の賜物だと思うし、ソノシゴロクがなぜだか「目隠し」してくれるという舐めプかましてくれちゃったのも通常営業ってことでいいんだけど、一方でジロウは「ひとりっきりで解決しました」という、このジロウ周りの描写がすこぶる不満です。

そりゃさ、ジロウの事情はあまりにもヘビーすぎるからそんじょそこいらのドンブラザーズでは口出しできない、というより「させないほうがいい」だろうってことはまあわかりますよ?。
出せるとしたらタロウぐらいだろうけど、タロウ的には「ジロウが自分で乗り越えなければならない」と思ってるんだろうから、結果としてのよく言えば「そっとしておく」悪く言えば「放っておく」という状況だったんだろうとは思うよ?。

だからタロウは龍と虎が融合しオールバックで精悍な顔つきで目元が赤くない「ニュージロウ」となって戻って来たジロウを見ただけで乗り越えたことを理解しそれ以上なにも聞かずに戦力として使う、つまり何事もなかったかのごとく「いつも通り」にジロウを扱ったんだろうし、それはきっと正しい。

でもさ、それじゃジロウは「ひとりぼっち」のまんまなんだよね。
だからこそジロウはタロウとはまた違う意味で「強い」ってことなんだろうけど、さすがにこれだけ重い設定を背負わせたわけだし、雷蔵くんはそれに応えられるだけの演技力があると思うし、(ソノニ-翼-夏美の三角関係をここまで深掘りするぐらいなら)まるっと1話メインで「恋人と幼馴染は親代わりが作った幻」で「親代わりも寿命を迎え獣人の森で眠りについた」という現実を受け入れ乗り越える『ジロウの話』をやらせてあげたかったと思うわけよ。