『封刃師』最終話

非の打ちどころがない完璧な最終回、完璧なる物語の終わらせ方にブラヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!とわたしのなかの大泉洋が叫んでます。
だって闇を背負った早乙女太一のキービジュアルを掲げる作品のラストカットが綺麗な青空背負った早乙女太一になるだなんんて予想できた人います!??。

最終回を見る直前まであと1話見たら終わってしまうやだやだやだと思ってたし、見てる最中も頭の片隅にはあーもう終わっちゃう終わっちゃうよやだやだやだ!ってな思いがあったりしたんだけど、青空の下の駆のラストカットを見た瞬間まさにそういう思いが『浄化』された。されてしまって今超スッキリ(笑)。


鬼噛真さんの強さが圧倒的すぎて、翔が持つ縁斬でも斬ることができず、駆が封刃しようとする→鞘をへし折られる、肇が封刃しようとする→鞘をへし折られる と同じことを2回繰り返すことになり(これ、散々「刃」を受けても大丈夫だったのに真さんにかかると簡単にへし折られるの、途中までの封刃でも鬼噛の穢れを吸うことで強度がガタ落ちしてるからなんだろうな。本来は「折ることができる」ものではないのだろう)、長年受け継がれてきた封刃の技では鬼噛を封刃することができそうもない。
問題は封刃途中で鎮冥鞘ごと奪い取られ引き抜かれる(そして鞘を折られる)ことにあるわけで、それならば奪われないようにするしかない。つまり奪われない鎮冥鞘を作ればいい。
とくれば、鬼噛に自分の身体を貫かせ、刃を引き抜かせないようにすればいいと、それしかないだろうと予想することができる。
真の行動を読み肇が巳前に託していた鎮冥鞘のストックを持って悟堂真の元へ向かう駆に続く翔の手に対鬼噛には役に立たない縁斬があるのはそういうことだろうと、鎮冥鞘1本で無理なら2本でという“作戦”だと思わせて、実は駆自身が鎮冥鞘になるのだと、そう予想はできました。
鬼噛を封刃した瞬間俺を斬れと、結局「駆は翔に殺される」し「翔は駆を斬る」しかないのだと、中島かずきファンのわたしはそうほぼほぼ“確信”してたもんで、左腕一本で済んだことにめちゃくちゃ驚いた。
「こんな形でお前を斬ることなるとはな」という翔さんに「それな!!!!!」と声に出して同意したもんw。多分翔さんの「こんな形でお前を斬る」とわたしの「こんな形でお前を斬る」はちょっと意味合いが違うのでしょうがw。

ていうかここで「さすがだよ、相棒」を被せてくるとか中島かずき最高かよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。

ていうかこのかつての悟堂真を封刃する駆と翔を脱帽して見守る巳前のカットも素敵だったんだけど、御厨にもこの戦いを見ていて欲しかったってのはあるかな。
この身体では戦力にならないと言う御厨に「しっかり治せよ」と駆が声を掛けたのは「封刃師やめるな」ってことだと思うのよね。
鬼噛である悟堂真に全く歯が立たなかったことで自信を無くしたり恐怖を覚えてしまったりしてるかもしれないけど、そういうのぜんぶひっくるめての「しっかり治せよ」という、同じ封刃師としての励ましに聞こえたので、駆が鬼噛を封刃するのを見た御厨の反応が見たかった。

この流れで一点不満を書きますが、肇を斬っても巳前の部下たちを斬っても「穢刃を生むほど穢れは溜まっていないか」と真さんは言ったけど、ちょっと待ってよじゃあ師匠は穢れ溜まってたってことになるわけ!??と、真を斬った肇より、巳前という上司の下で働いている部下たちより、仏門に入った師匠のほうが穢れ溜まってるってどういうことよ!???と問いたい。
肇はともかく日々職務上の穢れ溜め込んでそうな巳前の部下があれだけいても誰一人穢刃にならなかったのに師匠はなってしまっただなんて、そこにどれほどの穢れがあったというのか、鎮冥鞘を作り続けたことによる穢れの蓄積というならばカレンもそうだということになろうわけで、これだけは納得できる理由が見つからないんですけど!。


肇が現れた真の姿をしているナニモノかのことを「真の意識を持った穢れの化身だ」と言ったけど、真さんが地面に突き立てた刃を蹴って肩に担ぐのを3回程やってて、動作的にはまさに外道って感じでカッコよかったんだけどでも「真さん」は過去一度もそんな動きを見せたことはないんだよね。だからこれは真さんの癖なんかじゃなく「真の意識を持った穢れの化身」の動きなのだろう。

カレンと肇の息子を斬って「鬼噛」になってると思ってた駆が浄化され翔と共に現れたのを見て驚いた穢れの化身に対し

「悪いねえ、駆は返してもらったよ」

って翔さんのこの台詞!!!駆が救われた経緯を思うとまさしくそれは翔(とカレンと三條が)が鬼噛から「駆を奪い返した」わけで、バディものとしてこれ以上の萌え台詞はないでしょう!。

早乙女太一が演じる主人公・駆の相棒としてこういうキャラクター性の翔を置いたこと。そしてそれを演じるのが遠藤雄弥であること。
わたしがこの作品にこれほどまでに熱中できたのは、それが最大の理由です。

とにかくまあ、燃えたよね。この9週間燃えに燃えた。
30分×9話で全話合計270分のはずが毎話Tver含め(最近「Tverを回す」と良いってことを知りました)300分は見てましたから、どっっっっっっっっっっっぷりとこの世界に嵌っておりました。
なので今のわたしは青空を背に黒衣の裾と袖をひらりとさせる、つまり隻腕(とかそれはそれでまためったくそカッコいい!!!)となった駆に浄化され真っ白に燃え尽きた灰のようですが、円盤いつですって?8月3日?お値段18,480円?お安い!!!!!!!!!!
というわけで、初めてEXILE TRIBE STATION ONLINE STORE なるところで予約しましたw。

早乙女太一の殺陣(アクション)を世界に届けたいという中島かずきさんの発案から始まった企画とのことで、お二人揃っての仕事にはこれまで常に満足させてもらっているので今回も期待しかありませんでしたが、キッチリ筋道が立っていて物語そのものがとても面白かった。そこに祓う者と祓われる者による素晴らしいアクションが加わるわけで、30分という時間もあいまって濃密度がハンパなかった。
脚本・演出・音楽・演技・アクション すべての要素においてこれだけ高純度で満足できる映像作品(しかも地上波)はそうそうないので、どうしても見たくない役者がいるとか人が死ぬ話は見られないとか以外の理由でなんとなく見なかった人は配信等で観られる機会があればぜひとも見ていただきたい。いやもう見ろ!ぜったい見ろ!面白さは保証するから見てくれ頼む!!。