『仮面ライダーW』第12話「復讐のV/怨念獣」

なにこの満足感。決して(平成)仮面ライダーらしいとは言えないので“ライダーを見たという充実感(笑)”←この(笑)込みでの充実感とはちょっと種類が違うんだけど、いやいや今回もほんと満足ですわ。つーか翔太郎カッコよすぎじゃねえ!?何あの自分なりの決着のつけ方。
今回は正式な依頼を受けたわけではないし依頼人になるはずだった相手も死んでしまっていて、それでも翔太郎たちが動いた理由ってのは、翔太郎の探偵としての矜持の問題と、 “車=ドーパントが泣いているから”と感じたことなわけで、つまり翔太郎の物語だったといえると思うのね。今回の前後半ってやたらとれんれんがカッコよく見えたんだけど(いつもカッコいいけどいつも以上に!さらにさらに!!)、見終わってそのカッコよさがどこから発生してたのかようやく気が付きました。
今回はれんれんが始終苦しそうというか悲しそうというか痛そうというか・・・つまり憂い顔だったからなのだと!!!そしてその頂点がW状態ではなく翔太郎による「お前の罪を数えろ」だったのだと!!!!!。
んもーーーーーーれんれんめったくそカッコいいっつーの!この4話あたりはれんれんのゲソりっぷりが気になって仕方ないんだけど、今回ばかりはこのゲソりっぷりが翔太郎の心情をより効果に見せていたというか、まさに幸さんの心を救えなかった怒りと哀しみがひしひしと伝わってきて良かった、ものすごーーーーーーーーーーーーーく良かったです。
でさ、このシーンって演出も相当カッコよかったわよね!。MDで一瞬にしてヴァイラスドーパントを跡形もなく消滅させた後、馬鹿みたいに喜ぶ湯島の言葉だけが響く中何の言葉も残さず画面からフレームアウトするW。湯島の背後から近づく誰かの影。
「おい、お前の罪を数えろ」
ここで翔太郎を正面からではなく湯島を指す手だけを映すってのがほんと秀逸!。この言葉を発する翔太郎の表情を見せないことで、ドーパントではないから仮面ライダーWとしてその罪に対抗することが出来ないことと、依頼人がいない案件だから探偵としてもなにも出来ない立場であるということを表してると思ったし、そうでありながらも魂は泣いている真の被害者のためにそうせずにはいられない翔太郎の葛藤もむしろ見えたというか、感じることが出来た。
翔太郎は言ってしまえば勝手に事件に首をつっこんだ第三者なわけで、本来ならば湯島を殴る立場ではないんだよね。でも翔太郎には湯島を殴る権利がある。なぜなら、翔太郎は幸さんを「本気で救おうとした男」だから。そして本気で「姉さん(幸さん)は復讐なんて望んじゃいない」って思ってた翔太郎にとってのギリギリの落としどころ、だったんだろうなと。
湯島に渾身の一発を喰らわせ、
「お前を殴ったのは俺の拳じゃない」
そう言って湯島に背を向け立ち去りながら囁くように
「幸さんの・・・・・・・・・心だ」
って、クーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ(太ももバンバンバンっ!)
翔太郎ちょうカッコいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
でさ、よくある演出として、この言葉とシンクロするようにベッドに寝てる幸さんが涙一筋流すとかさ、殴られて呆然としてる湯島の背後から刃野さんとなまくらさんがやってくるのが見えるもしくは近づいてくるパトカーのサイレン音が聞こえるとかさ、幸さんもきっと少しは気持ちが晴れたんじゃないかとか翔太郎には裁くことができなかった湯島にも結局厳しいその後が待っているとか、そういう気持ちとしてちょっとは救われるってかスッキリするような描写を入れてきがちだと思うんだけど、あえてこのなんともやりきれない感じで終わるのがWなんだと思う。
そして、精神エネルギーと同化してたってことはHTのMDで消滅したことによって幸さんの精神もまた消滅したということになるんじゃないかと思うんだけど、“馬鹿は風邪をひかない”はずの翔太郎が思いっきりくしゃみかまして“馬鹿が風邪をひくなんてそんな馬鹿なっ!?”というアホなwオチでそこいらへんの厳しさというかエグさ?を緩和しつつも、それがちょっとした奇跡・・・ってんじゃないけど、翔太郎だって風邪ひくんだから弟の笑顔のところへ姉が戻ってくることだってあるよね、きっと!と翔太郎のモノローグ(報告書)を合わせてほんのり希望を抱かせてくれる描写にもなってるってのがエピソードの締めとしてほんと “いい感じ”なんだよねー。ほんと面白い。
てか亜樹子は事務所に居住してるわけじゃないんだね。フィリップくんは事務所で寝起きしてるようなので、少年と言えども男は男、嫁入り前の娘が男と同居なんてありえない!という倫理に基づくものかどうかは判りませんが、フィリップくんはまぁ別にいいとしてwとりあえず翔太郎と一つ屋根の下で暮らしてるわけではなさそうなのでわたし本気で一安心(←本気厨)。で、フィリップくんはなにやらわたしがここ数年食ったことがないような豪華な朝飯食ってたっぽいけど、あれは誰が作ったんですか?普通に考えて翔太郎だと思うのでものすごく気になります(こんなにもカッコいい上に料理もできるとなるといよいよもって本格的に惚れるしかないので)。
フィリップくんと言えば、今回はフィリップくん絡みの重大な設定がサラリと投下されたわけですが、前回(前半)では翔太郎のことを「ハーフボイルド」とやや馬鹿にしつつも仕方ないなぁという態度でこの件に臨んでたものの、ドーパントの正体が山村康平ではないと分かったあたりからはすっかりやる気になってるのがすこぶる可愛いんだけどw、生体コネクタ状態?だったらガイアメモリを媒介に直接アクセス?し自分の領域である“地球の本棚”に意識を呼び込めるのではと “やってみなくちゃ分からない”と、“理論上は可能”だと以前から考えてたってことと、それを実行した結果 “地球の本棚”ってのがフィリップくんの頭の中にあるイメージ映像としての書架なのではなく、仕組みは分からずとも他者と共有することができる(脳内に)実在してる場所だと明らかになったのはちょっと驚いた。“地球の本棚”って一体何なの?。
でもちょっと考えてみたらこのメモリを介しての意識共有ってのはW状態、つまりその間フィリップは意識を喪失してることも含めてベルトにメモリを挿すことで意識を共有してる時の翔太郎とフィリップも同様と言えるわけで、Wから初のポイントを奪いノッリノリの霧彦さんの目論見をクールに打ち砕いた冴子さんの“精神のみの状態でトーパントとして活動できるものの、その効果が著しく落ちることは実験の結果既に確認済み”発言から判断するに、そのことをガイアメモリを製造販売している園咲家、少なくとも冴子さんは知っていて、さらに想像するならば霧彦さんが言うようにガイアメモリの更なる可能性を広げるために精神態ドーパントの研究をしていたが上手くいかず、その唯一の成功例がフィリップ、そしてその成功を確認した瞬間がビギンズナイト、ということになるのかなぁと。
ていうかメモリを介しての意識共有と聞いて、並列分散リンクのようなものかと思いフィリップくんがどうにかなっちゃうんじゃないかと思ってハラハラしたので怨念の強さに弾き飛ばされるだけで済んでホッとしました。
でさ、この場面って、翔太郎は“足と使い情報を集める”という探偵の王道である調査法を取る一方で、フィリップくんもまたフィリップくんにしかできない方法で情報を集めてるってのがまたイイのよねー。あの病室に乱入したかと思ったらおもむろに布団を剥ぎコネクター探して体中をまさぐる(笑)フィリップくんの嬉々とした表情からしてフィリップくんにとっては純粋に“興味深い”“楽しいこと”ってつもりなんだろうけど、でもその実、翔太郎のため、だったりするんだよね。翔太郎が本気で救おうとしている相手だからこそフィリップくんは結果どう転ぶかわからない無謀な行動に出たんだと思う。幸さんに向かって「君のことを本気で救おうとしている男がいる」と言ったその瞬間、この事件はフィリップくんの事件にもなったんだと思った。だからこその
フ「予想以上に怨念が強い。このままでは飲み込まれてしまう」
翔「止めてやるよ。俺が・・・必ず」
フ「それを言うなら、俺たちが、だろ」
翔&フ「変身っ」
(あ「(両腕広げてスタンバイ状態で)はいどうぞー!」)
これ、これこれこれよ!!。お前ら俺をどれだけ燃えて萌えさせれば気が済むんだあああああああああああああああああああああっ!!!!!。
一人では幸さんの怨念の強さになすすべがなかったフィリップくんだけど、それでも俺が止めると言い切る翔太郎とならば、二人でならば止められるってことでしょう!くうううううううううううううううううううううううううううっここでときめかずしてどこでときめくって言うんだ!。しかもしかもフィリップくんに「俺たちが」と言われた翔太郎の顔が嬉しさやら頼もしさやらフィリップのやつ・・・やらなにやら入り混じりまくってもうニヤける寸前(笑)でもちょうカッコいい笑顔チラリズムだったのがたまらあああああああああああああああああああああああああああああああああああっん><。
そんでもっていい味出してんのが「はいどうぞー!」って即フィリップくん受け入れ態勢に入る亜樹子なw。これは二人がこうやってカッコよく戦えるのは亜樹子のサポートがあるからなんだってのが伝わってくる良シーンでした。

それにしても幸さんの一連の描写は怖かった・・・子供番組としてはギリギリなのではないでしょうか・・・。地球の本棚でまず幸さんの片方だけパンプス履いてる傷だらけの足(靴はいてないほうはつま先立ちなのがまた怖い><)→血に染まった腹部→ついに幸さん登場ってのはいかにもジャパニーズホラー的だし、逃げる湯島の背後にその気配を感じさせるのはスプラッタームービー的なドキドキ感だし、式を挙げるはずだった教会の入り口での三段階変化とか本気すぎてマジで朝の番組じゃなかったよね、絶対。一口にホラーっぽいと言ってもいろんなバリエーションを用意してくれるあたりはほんと頑張りすぎw。
てかガイアメモリってのは、信じてた婚約者の正体をたまたま目撃してしまったから懲らしめてやろう程度の目的で購入できる価格設定なのか・・・。幸さんをフルネームで呼んで声かけてたからもしかして幸さんがあの場に出向いたのはメモリを購入するための商談目的だったのか?とか思ったんだけど、その後の幸さんの言動からしてあの場の勢いで買った風だったよね?。初回のマグマ&Tレックスドーパントは確か2回に分けて代金を支払ってたような覚えがあるし、前回の霧彦さんも「メモリが無駄になった」とか言ってたから恐らくその場で全額即金支払いしたわけではなく分割払い(メモリが無駄ってのはやはり代金の回収ができないってことだったぽいね)(弟がいるんだから弟から回収しようとしないあたりはミュージアムって結構良心的な組織なのかしら?w)にしたんだろうけど、それにしたって「ちょっと懲らしめてやった後は弟と二人でやり直そう」と思える程度には前向きに考えられてるのだとしたらやっぱりその“ちょっと懲らしめる”ために何百万も払うってのはどうかと思うわけで・・・。
あ、でも幸さんってあの怨念の強さからしてけっこう情が深い人なんだろうし、湯島を忘れるために貯めておいた湯島との結婚資金を全部メモリ購入にぶっこむくらいしてもおかしくはないか。
まぁメモリの相場がどれぐらいなのかってのはおいておくとしても、あのシチュエーションで、メモリを手にするまでは恐らくごく普通の真面目で大人しい女性だったであろう幸さんのような人にそれなりの価格のメモリを売りつける根津くんのセールスマンとしての手腕には感心せざるを得ない(笑)。つーか街一個滅ぼせるようなものを売るなよ、それも試験的に!あんたら風都を愛してんだろ!とは思ったけどw。恐らくメモリの力を引き出すためには使う側の意識が少なからず影響するのだろうから一応買い手を見てるというか、この女ならば悪い使い方はしないだろうという判断の元にということだとは思うけど(そう思いたいw)。その判断も含めて、根津くんよりも霧彦さんの方が腕がいいとかごめん、ちょっと信じられませんw。
だってねぇ・・・・・・・・・妻が義父とオペラに出かけてることを知らなかったからってその腹いせに義妹に思わせぶりな態度とってその憂さ晴らししてる時点でどうかと思うのに(にこやかに談笑しながらも結構な距離を間に挟んでるのがそのまんま二人の関係性を表しているようでこれまた上手い演出だよな)、嬉々として自分の“新発見”を妻に語りそして思いっきり「名誉挽回は無理」と言われてしまったんですもんねぇ・・・・・・(ていうかドーパントではなかった園咲家の使用人たちの前でああも堂々とメモリがどうとかドーパントがどうとか話して大丈夫なのだろうか)、このことを若菜ちゃんが知ったら、そして若菜ちゃんにそんなアホな自慢話をしてたということを冴子さんが知ったらと思うとね・・・・・・
「そうすれば君を失望させた私の失態も全て帳消しになる」
帳消しにするかどうかは冴子さんが判断することなのに、自分で言い切っちゃってるあたりがもうね・・・・・・・・・・・・涙出そうだよね・・・(笑)。
でもわたしはそんな霧彦さんが大好きだよ(笑)。


れんれんは現在インフルエンザで自宅静養中だそうですが、先週でもなく来週でもなく今週、今このタイミングでインフルになるってさー、いろいろ現場大変なんだろうなってのは分かっちゃいるんだけど、これもまたれんれんのライダー愛のなせる業って感じがする。いろいろ考えちゃったりするだろうけど、休むこともまた仕事と考えてゆっくりしっかり休んで早く元気になってください!。