ステイシーがゼンカイジャーと共に戦うのはいいってかそうなってほしいとは思うけど、自分でも「トジテンドの常識のなかで生きてきた（各世界の住人たちを苦しめてきた）」と言ってたわけで、ステイシーにとってこれまでやってきたこと、それは「当たり前」のことだったわけだよね。
トジテンドに対する感情としても今ステイシーにあるのは「父親への憎しみ」というものであってトジテンドは「悪」だとまでは思ってないように見えるし、自分がしてきた行いを恥じたり悔いたりしてるのも「ヤツデに顔向けできない」というものであって、正式に敵組織を抜けて戦隊側に「寝返る」ということならば気持ちの動きとして何かが足りない気がするんだよね。ステイシー自身も後ろめたさみたいなものを抱えているわけだしさ。
そういうステイシー（と視聴者）のモヤモヤを「私も元トジテンドですよ？」というブルーンの一言で吹っ飛ばすのがすごいわ。
これはゼンカイジャーという作品を象徴する一言だと思う。
もっと劇的なタイミングでヨホホイしにきてくれるもんだと思ってた界賊一家も呪いがとけたわけじゃないのに「まだ（呪いを解くまでには）時間がかかるみたいだから」というよくわからん理由でバラシタラには「借りがある」ってんで戻ってきてくれたわけだけど、戻ってきてくれたことは嬉しいけどもう一度言うけどもっとドラマティックな感じで「キターーーーーーーーーーーーーー！」って言わせてくれると思ってた（そう思い込んでた）もんで、ちょっと拍子抜けするところがあるわけですよ。
だけど「フリントの頭脳」を奪われる（使われる）となるとそれが神だろうがどんな使い方をされようが、兄貴的には「許さねえ！」ってことになるわけで、ゾックス（+カッタナー＆リッキー）にもこの最終決戦に関わる心情的な「理由」ができた。
前回の感想で「最終決戦感」の出し方が強引と書いたけど（ゼンカイジャーへの「強引」は誉め言葉ですｗ）、登場人物の心情についてはちゃんと視聴者も納得できる描写をしてくれるからここまでまさかの『捨て回ナシ！』で突っ走ってこれたのだと思う。
それが「ヤツデに謝るステイシー」に詰まってたよね。公式でも書かれてるけどいやもうほんとここまで積み重ねたものがステイシーのあのぐちゃぐちゃなボロ泣き顔から溢れ出てて、マジ泣きせずにはいられませんでした。マジのマジで泣いた。
（ていうか、当初ステイシーというキャラはいなかったってのが信じられないってか、ステイシーが居なかったらどうなってたのか怖いもの見たさで超見たいｗ）
あとはなんだっけ？・・・あ、そうだ「イジルデストロイヤー4世だ」ｗ。発明家・技術者としての能力はよくわかんけどロボ造形のセンスだけはあるんだよな、イジルデ。
神によってキカイトピアに強制送還されてしまったターさんたちがイジルデストロイヤー4世に石礫を投げ、落ちてたギアトリンガーで戦おうとし、それを介人とブルーンに託し応援する姿は胸アツすぎた。やっぱ戦隊には「みんなの応援」が必要だよな！。
