石田 衣良『炎上フェニックス』

高校の先輩が結婚を考えている相手がパパ活サイトに登録してて(先輩ともそのサイトを通じて出会った)、トラブルに巻き込まれたってんでマコトに相談が持ち込まれてキングを頼るのはいいんだけど、パパ活サイトの運営会社はいわゆる半グレで、口ではGボーイズと同種のようなことを言いながら(業務提携の話もきてると)も「Gボーイズとは格が違う」とか言ってて笑った。出来た当初は「半グレ」なんて言葉はなかったけどあなたたちも立派な半グレじゃないですかー(笑)現実見てくださいよー(笑)ってな。

パパ活とかデリバリーの配達員とか当たり屋とかネット炎上とか、その時々の流行・時事ネタを物語のなかに取り込む手腕はそれをシリーズの売りにしているだけあって「さすが」と言っていいと思うのだけど、Gボーイズは完全に半グレだしサルなんて紛うことなき反社の構成員だしね、そういう意味では、そういう意味でも、「時代は変わってる」わけで、それを街のヒーローのように描くのはさすがにもう無理なのではないかと、もう潮時だろうと、今作はこれまでよりもより一層そう感じずにはいられない。
ずっと読み続けてるシリーズだからそれを認めることは寂しいし哀しいけどね。