『顔だけ先生』第9話

前回からの流れを汲んでの早坂のカミングアウトというか“周囲からの認知”の描き方、亀高へのアドバイスの的確さと観察眼のポンコツさという落差を含め、ドラマ全体を通しての構成が素晴らしいと確信した9話でした。

ざっくりと言うなればマジョリティとマイノリティの問題を「生徒会長選挙」に嵌めるにあたり、部員数や人気や声の大きな部活を優遇する候補に対し、そうではない部活や生徒個人の声を聞いて欲しいと訴えられ「対立」候補として担ぎ上げられた候補。

両候補ともに亀高のクラスの生徒であることは“ドラマだから”でいいとして、前者である佑太が立候補した理由、後者であるみずきが立候補した理由、そしてそこに関わろうとする森戸の想い。

それはここまでの8話のなかでしっかりと描かれ積み上げてきたものがあってのもので、ゆえに心情的な説得力があった。ここまでがあるからこそのこの話なんですよ。

加えて学校を辞めることになった市川の「今」もちゃんと描かれていて、これが学園ドラマとしてほんとうに素晴らしい。