『正義の天秤』第2話

医者を辞めて弁護士になった理由はわかったもののこの苛烈な人間性についてはまだ説明がないんだけど、もしかしてこれ元々の性格だったりします?。

依頼人の“罪を軽くする(無罪にする)”という救い方ではなく『鷹野が考える』ほんとうの救済を行うべく依頼人が隠そうとした“真実”を明らかにする、たとえそれが依頼人の望んだことでなかったとしても、依頼人の罪を暴くことになっても

ってなやり方は、弁護士を主人公として法廷ドラマをやるためのフォーマットでありアプローチの方向性として悪くはないと思うってのはそれとして、その主人公がなぜこんなにも強引で傲慢な人間なのかと、恋人が暴漢に襲われた事件に自分の手で決着をつける、つまり恋人が手掛けていた冤罪事件を冤罪であると証明し、ひいては恋人を襲った「真犯人」に法の下で復讐すべく、弁護士として名実共にのし上がって「力」を手にするためにやれることはなんでもやると、鬼になると、その強い意志がこのスタイリッシュさとして表出しているのではないか(そういう意図での演出だ)と、初回を終えたところではそんな予想をしていたわけですが、であれば今回の回想・説明でその全てでなくともそれらしき匂わせぐらいはするのではないかと思うのよね。でもそんなものはなかった。なんならスイーツ食いまくってた。

つまり同僚に対する言動は鷹野さんの「性格です」ってことで?。
医者、特に外科医なんてみんな俺様イメージなんでそういうことならそういうことでいいんだけど、であればその俺様傲慢男がポンコツと見下しているルーム1の面々の努力や秘めた能力によって助けられたりするうちに変わっていくってのがセオリーだろうけどこれは俺様傲慢男がルーム1を立ち直らせるドラマであるわけで(だよね?)、2話を終えて判明した「鷹野さんは普通に性格が悪い」という事実をどう扱っていいのかちょっと混乱しています。

いやそれよりなによりだからなんでこんなに野球(好き描写)が多いのよって話なんだけど、どうやら原作にも野球好き描写はあるらしいですね。そういうことならかめなしくんで納得です。


で、事件・裁判の内容だけど、無罪かと思ったら思いっきり殺意ありました!というひっくり返し方だった初回は特に引っかかることはなかったけど、2話はあちこちで引っかかりまくりだった。
その最たるものが「加害者が被害者になりすましてブログ書きました」ってやつ。
死体の指で指紋認証を解除して被害者のスマホを使ってブログを書いたってんならわかるけどパソコン使ってたわけで、アカウントとパスワードをどうやって調べたのかと。それこそスマホで確認したってんならその描写は入れるべきじゃないかな。だって鷹野が「おかしい」と思った理由がスイーツブログが突如数年前の裁判員裁判について書いたことにあるわけだから。
自分が関わった裁判の真相を知ったとして(一個人がどうやって真相にたどりつくことができたのかというそもそもの疑問もある)、自分たちが冤罪にしてしまった兄に対し「(真犯人の妹に)自首してください。しないなら自分が警察に言う」という正義感を発動する方向もドラマとしてどうなの?と思うし、というか親は交際相手だと思ってた男に「ストーカー」扱いされてるのはなんだったのかと。

鷹野が救いたかった(守りたかった)のは兄に罪を着せてしまった妹の罪悪感(を一生抱えて生きること)もだけど人柄等について悪評が広まってしまった被害者の名誉である、という着地点は1話同様「そうくるか」と感心できるものなので、そこに至る過程をもうちょいしっかり作ってほしい。
ていうか笠松将をこんな雑な使い方すんな!!(一番言いたいのはコレ)。