『姉ちゃんの恋人』最終話

こういうご時世であることだし、恋愛だけでなく、椅子の人とかサンタ役の人とか、それぞれにとっての嬉しいこと、「幸せ」が訪れるハッピーしかない最終回であること自体はいいと思うの。
理不尽な悪意や暴力が「身近」にある一方で、家族や家族のような存在だったり職場の仲間だったりといった「身近な人たち」の悩みや苦しみに寄り添いつつもその幸せを描く、毎日を精いっぱい生きる人たちの幸せを祈るドラマだったんだなということも理解します。

でもね、弟たちと楽しそうにクリスマスパーティやっててもついさっき理不尽な暴力を受けてたのになーと思ってしまうし(「クリスマス会」だというのに悩んでいることを話すとかいいだしたのは「さっき暴力を振るわれました。怖かったです」「でも真人さんは暴力を振るわずに身体を張って守ってくれました」ということを話すための唐突な家族ルールなのだと思ったんだけど)、職場でクリスマスパーティを楽しむ人がいる一方で今この瞬間も肩があたったとか足を踏まれたといった理由で暴行を受けている人がいるのだろうと思ってしまったわけですよ。

これだけの幸せてんこ盛りをもってしても、暴力のインパクトだったりイメージだったりに蓋をすることはできなかった。

父親の自殺も含めなんでこんな描写にした(描写を入れた)のだろう。
それしか残らないとは言わないけど(観覧車のシーンとか“あの林遣都は良かった”として記憶に残るであろうシーンはいくつかあるし)、今思うこととしてはそれのみ。


世の中には、特に今は悩みや苦しみを「受け止めて」くれる相手がいない人も少なくないわけで、クリスマスの飾りつけをどうするか?とやってたあたりはそういう孤独を少しでも和らげようと、それがテーマのドラマなんだと思ってみてたけど、最後はみんなでパーティだもんなぁ・・・。