『竜の道 二つの顔の復讐者』最終話

終わってみればどうでもいい設定だったけど、曽根村の息子が斉藤一成でもなく竜一&竜二でもなく沖でした!ってのはびっくりしたわ。そこは1ミリも考えなかったし、「おまえか!!・・・・・・・・・いやでもなんかどうでもよくね?」って意味でもびっくり。

沖が和田猛の仕事というより和田猛という男そのものに執着してる理由がわからなかったんだけど、和田猛=矢幡竜一に辿りついたことからして調査能力はあるんだろうし父親が和田猛に目を掛けてるってな情報を手に入れて、どんな男か気になったからってことだったのか。と納得しかけたけど、沖は曽根村が父親だって知らなかったっていいましたっけ?。まあ正真正銘のクズでワルだったってことでキッカケなんてそれこそどうでもいいってか、「因果」ってことでいいんだけど。今野を痛めつけるときの容赦なさと残忍な笑みはそれまで悪を許さないタイプのルポライターに思えてた“沖の本性”が見えてさすが落合くん!だったし。

しかし竜一が沖を殺すのって、曽根村が竜一に落とし前をつけさせる=半殺しにするための展開でしかなかったよね。竜一の顔面をボロボロにするための沖殺し。さらに言うと沖を殺してしまったことで完璧に詰みの状態となったからこそ竜一が竜二をボッコボコに痛めつけることになり、その結果竜二の顔面もボロボロになって『顔面傷だらけの双子』という最終回にしたいがための沖殺しとしかわたしには思えず、だとしたらそのセンス、嫌いじゃないぜ。
でも竜一の竜二への発砲は竜二を狙って撃ったわけじゃなかったのに、まるで撃たれたかのように気絶する(気絶したんだよね?)竜二はちょっとどうかとおもいましたw。

竜二によるキリシマ急便の吸収合併話と竜一による源平を喋らせた証拠動画の拡散という合わせ技で復讐を遂げてみせたのは、ありがちというか特に後者はまた困ったときの「動画撮ってました」かよとは思ったものの、ちゃんと表と裏からの手段であり、かつて両親が源平に言われたことをそっくりそのままキリシマ急便に変えて言い返すというカタルシスもあってよくぞ綺麗に復讐をキメてみせたなと感心したわー。竜二による正攻法だけでキリシマ急便をこの世からなくすことはできただろうけど、竜一の動画がなければ源平に「引き金を引かせる」ことはできなかっただろうってところが見事。拳銃自殺という“逃げ道”を用意されたうえで、死ぬことは許されないと突き付けられた源平の絶望たるやいかほどかと。
そんでもう一度いうけどこの時の双子が顔面傷だらけなのがまたイイよね。2人の人生を象徴するようで。竜一の「たまんねえな」が最高にロマンだった。

でもこの場面で竜二はきちっとスーツなのに竜一がラフな格好だったのが不満。なにあのストライプシャツ。何が一番許せないってその襟元からアンダーシャツ(丸首のTシャツ)が見えてることよ。希望を言えば黒のダークスーツでビシっとキメて欲しかったけど復讐のために2人が歩んできた道の違いを演出したのかラフな格好してるのは許すとして、だったら源平の証拠映像撮影したときのブルーのシャツでいいじゃん。ていうか白シャツでいいだろうに(たまきんと言えば白シャツだろう!)よりによってなんであのストライプシャツよ。

最期は予想通り大野木の息子に刺されて・・・エンドでしたが、あのとき竜一が源平を刺すことができていたら今頃どうなってたのかな。中学生だし動機が動機なんで情状酌量の余地は充分あるだろうし、罪を償った竜一と竜二と美沙が今頃「肉の熱さは豆腐で冷ませ」などという話をしながら鍋を囲むことができていたかもしれないな。MIU404で強盗傷害を犯し時効までトランクルームに隠れ住んでた男2人の話を思い出しつつ、そんなことを思った。


脚本は粗が目立ったものの役者はみなさん素晴らしく、なんといっても玉木宏高橋一生のコンビは期待以上の麗しさでした。ガッサガサの心に目から潤いがしみ込んでくるようでした。
さすがに「復讐を誓う双子の兄弟」を超える濃厚設定は難しいでしょうがこの二人ならばどんな設定でもこなしてくれるでしょうから(あ、でも東京独身男子みたいなのはカンベンな☆)いつかまた共演してくれるようにと言霊!。