『MIU404』第10話

あーなるほど。ドローンが飛び立つ画から都内各地での爆発の映像がずいぶんとチープだなと思ったんだけど、「フェイクニュースなんで」ってことだったのか。藤原竜也主演の「そして、誰もいなくなった」を思い出させる“ドローン出動”映像もそういういかにもな「イメージカット」ってことだったのか。
SNSへの投稿や警察への通報はすべて久住による「偽情報」「偽通報」だけど、「♯MIU404」というハッシュタグと共に広められた「テロの実行犯はメロンパンの移動販売車に乗ってる人物」という真偽が定かではない情報は、「メロンパンの移動販売車」が現実に存在していることで、それだけで、「ネットの中のフェイク」が「真実でなくとも現実(リアル)」になってしまうということか。火のないところに煙を立てるのは容易だと。

その前に四機捜のことや自分のことについてネットのなかで好き勝手なことを言ってる奴らについて「こちとら必死で働いてんだよ!」と怒り泣きする桔梗さんというシーンがあって、普通に考えてそんな馬鹿な話があるわけないのに、ちょっと考えることすらせず鵜呑みにする愚かさについて言及させておきながら、自分たち(警察)もまたその「ネットの情報」に振り回されてしまうという皮肉さであり、菅田将暉がネットを使って警察や世間をどうこうする(しようとする)ってのも3年A組がまだ記憶に新しいことをわかって(狙って)のことだろうし、なんと意地の悪い脚本なのだろうか(褒めてます)。

あ、あと意地の悪いといえばドーナツEP作ってる「普通のおじさん・おばさん」たち、てっきりなにも知らずに健康食品かなんかを作ってるつもりでいるのかと思ったら、ちゃんと悪事を働いてる認識あるのね・・・。
てか久住の性格からして警察にバレそうになったなら工場で働く人たちを見捨てそうなもんなのに、自分が安全に逃げるためと併せての作戦だとしてもトラックを逃がすためにこれだけの手間をかけたってことは久住にとってドーナツEPというシノギはあらゆる意味で「捨てられない」ものだということか。そこが久住が出した「ボロ」ってことになるのかな(あと「メケメケフェレット」を検索したことな。今回のなかでは検索することで生じた「間」で野生動物・伊吹が背後の配達太郎の声を聞き取ることができたという意味を持っていたけど、「メケメケフェレット」という単語を知っているのは志摩と伊吹と久住だけであることが最終回で何かを起こすんじゃないかな)。


で、でもなあ・・・前回までに伊吹も志摩も桔梗さんも九重も、ハムちゃんも成川もそれぞれの話だったり想いだったりにはドラマとして到達点にたどりついてしまっているわけで、久住を捕まえたとしてもそこに何かがあるわけじゃないというか、気持ち的に盛り上がる何かがそこにあるのだろうか、と思うんだよな。だって久住人間じゃないっていうんだもん。人間の形をしている限り人間のルールに従い裁かれなくてはならないという警察の主張はわかるけど、そこで久住を逮捕できたとして警察は達成感があるだろうけどそれを見ているわたしはきっとそれに共感も同調もできないんじゃないかなーと、今の時点ではそう思う。なんで久住が人間の形をした人間じゃない存在になってしまったのかが語られたとしても、興味ないしな(ふと思ったけど、戸籍がなかったりしてね)。


ってところで陣馬さん!??????なにしてんの!!!???
なにもない道路ならともかくそこにゲートがあるじゃないの!生身で立ちはだかるのではなくゲートを閉めなさいよ!なにやっちゃってんのよもう!。