西澤 保彦『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』

逢魔が刻 腕貫探偵リブート

逢魔が刻 腕貫探偵リブート

  • 作者:西澤 保彦
  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この本を手にとったときに「リブート」ってなんだっけ?とは思ったもののさして気にせず読み始めたら一向に「腕貫探偵」が出てこなくって、会話の中にこそその存在があるものの完全に女子大生ユリエが探偵ポジションになってんだけど・・・(まあ「ユリエのお見合い顛末記」というタイトルがついているけども)
とはいえ続く2篇目はユリエは“語り手の視線の先”としての登場だし3篇目に至ってはユリエの存在皆無だし、最後の話でようやっと「だーりん」が登場したことで「腕貫探偵シリーズ」としての体裁は整ったけど、なんかちょっと違わない・・・?

ってんで「リブート」の意味をWikipediaで調べたら『フィクション作品において、シリーズにおける連続性を捨て、新たに一から仕切り直すことを意味する用語』とありまして、ああ、そういうことですかとようやっと主旨を理解した次第です。

最初の1篇こそ2組の夫婦がいて、それぞれ旧知の間柄でお互いに相手を紹介し合ったとくれば、ははーんこれはゲイカップルとレズカップルによる偽装結婚だなと西澤ファンなら即座に思いついた通りの話でしたが、2篇目・3篇目と進んでいくごとにどんどんと内容がハードになっていき、いくら事件が起きやすいとはいえ櫃洗市魔界かよ!?(笑)。