『俺の話は長い』第5話 其の九「銀杏と爪切り」其の十「シャンパンと合い鍵」

映画のタイトルを思い出せなくて盛り上がる姉弟に「検索すればいいじゃん」と春海が言い放ってたけど、世代をわける目安として『人と話しをしているときにスマホを触るのはアリかナシか』ってのがあって、それこそ映画のタイトルが思い出せないときに「思い出すこと」それ自体を楽しむ人は「ナシ」でそれはやっぱり中年以降の人間が多く、若者とされるひとたちは会話を円滑に進めるべく共通認識としての“それどんな映画?”という情報を話しながら得るためにスマホを触るから「アリ」なんだと、そんな話を聞いてなるほどなーと思ったことを思い出しつつ、爪切りと銀杏割りをパチパチしながらの姉弟の会話はよかったなー。会話のテンポと空気感がリアルな姉弟のソレ以外のなにものでもなくて、これぞまさしく「会話劇」といった感じで感動すらしたもの。小池姐さんも斗真もやっぱうまいわ。

そしてこの姉と一見似たようなキャラでありながらまた違う「年上の女」との新たな関係が始まるというこの構成がまたうまい。普段あれだけ直球ぶつけ合いながらも銀杏と爪切りで満と綾子が共に過ごしてきた時間、家族だからこその思い出話を聞かされ「なんだかんだいって仲良いんじゃん」となったところで、家族ではない女性に対し満がどう振舞うのか楽しみだし、女社長という言い方悪いけど寄生先ができるかもしれないという余裕が家族に対する満の言動にどんな影響を及ぼすのかも興味深い。

ていうかこういう展開になるならやっぱ風間俊介ではなく生田斗真だわ(笑)。従業員にコクるぐらいだから基本年下好きではあるのでしょうがコクった相手が海星であることを考えるとコクった理由は「顔」以外にないだろうから(この男中身なさそうじゃん)もし満がかざぽんだったら合い鍵返してハイおしまいとなったに違いない(笑)。