『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』第7話

ぶどうジュース飲んでた軒下さんは男としてはともかく技師としては信頼の置ける人だったし(足は超臭いらしいけどw)、威能さんはAI、悠木くんはIVRとそれぞれ技術や知識を磨くべく努力してるし、「技師の人たち」は優秀なんだよね。広瀬も頑張ってるしさ。おまけに杏ちゃんを巡るライバルではあるけど薮下の嘘に協力してくれた辻村先生だっていい人であることがわかった。だから問題は主人公だけなんだよね。

「技師として」できることはなにかを考え、「写真に映らなかった可能性があるから撮り直す」という手段というか理由を思いつき院長の許可を取って業務時間外に再検査をしたってな話だけど、その可能性に思い至ったのは医者としての知識によるものだろうし、院長が許可を出してくれたのも(医師としての能力を信頼してる)五十嵐くんがそこまで言うならってな感じで院長に直談判できることも含め特別扱いされてるからだろうし、ていうか「自分は技師なんであくまでも私見ではありますが」と断ってはいたものの「大丈夫」とか言っちゃダメだろうよと。お前がほんとうに「技師」でしかないならそんなことを言えるか?ってな話でしょ。
軒下さんの友人夫婦は「技師さんに救ってもらった」と言ったけど、唯織が夫婦の不安な気持ちを解消してやれたのはやっぱり医師としての目と、それから医師としての「大丈夫」だという確信からくる説得力によるものだとわたしは思うわけで、医者も技師も人間的にそれぞれ大なり小なりの問題というかクセはあるかもしれないけどそれぞれ職務に対し悩みつつもその時点での自分にできることをやるべく真摯に向き合ってるなかで主人公だけがそうじゃない、本来ならもっとできることはたくさんあるのにそれを隠して、それでいて好き勝手やってることがどうにもこうにも受け入れ難い。

つーかとなりで「女性の技師」が「暴れる男性患者」に手こずってるってのに素知らぬ顔で自分のやりたい検査だけやってるってどうなんよ?。緊急性の高さで言えば明らかに男性患者のほうが上だろ?。広瀬から薮下さんを呼んだと聞いて、それなら大丈夫だろうという薮下さんへの信頼と、根性あるからそれまで一人で頑張って経験を積むだろうという広瀬への信頼があってのことだとはわかるし、ここで駆けつけた薮下が同級生の検査に携わってしまうとその時点で「自分は医者ではなく技師である」と明かすことになり、そうなるとドアが閉まるあの「オチ」が使えなくなるという作劇上の都合であることもわかるけど、主人公に対するヘイトがまた一つ溜まる結果にしかならなかったよ?。