小路 幸也『ヘイ・ジュード』

ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン

ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン

人と人との出会い、縁、物事の巡り合わせ、それらを伝家の宝刀「LOVEだねえ」で良い感じにまとめるのがこのシリーズではありますが、今回はやけに所謂“ご都合展開”が目に付いたかなぁ・・・。周囲では病に侵されるひとがいたり離婚したりリストラされたりしてるのに堀田家はいつも変わらず笑顔に溢れ幸せ一杯であることはいいんだけど(そういうシリーズだから)(これだけ老人いたらそろそろ介護問題とか出てこないと不自然だよなーとか思ってたんだけど、マードックの親をそういうことにして藍子共々イギリスへ送っちゃうという強引な手段で片づけてて笑うわ)、近くの工事現場で警備員をやってる人を店に招き入れたらそれが研人のバンド仲間の父親で、そこにやってきた藤島の関係者がこれまたその父親と旧知の間柄で・・・ってどんな偶然だよと。
でも思い返せばこれまでもこの程度の偶然はあった、というかこんなことの繰り返しで成り立っているようなものなのに、今回それをそういうものとして読み流せなかった今の私の精神はあまり健全ではないのだろうな。