小路 幸也『アンド・アイ・ラブ・ハー』

帯に「平成を駆け抜けて」とありますが、元号が変わるというタイミングに相応しい・・・と言っていいのかな?。この物語の世界に生きる人たちがそれぞれ人生における大きな決断をする今年のバンドワゴンシリーズであった。

その決断はどれも前向きではあるもののどこか痛みや寂しさを伴うもので、そんな話が続いた最後にこのシリーズ随一のファンタジーキャラである藤島さんが共に人生を歩こうと思える相手と出会い決断し、それを堀田家の人々に告げるというシーンを持ってくるところが実にこのシリーズらしい。