『アンナチュラル』第7話

言い方悪いけどイキったガキの劇場型犯罪とかいじめとか、そういうのをこのドラマで見たくはないかなぁ・・・・・・と思いながらちょいちょい挟みこまれる中堂さんに闇はどうした闇は!?とつっこんでたら、そうかそうかそうきたかー!!。
中堂とミコトの関係性をこういう形で進めてくるか!と、5話と「対」ってんじゃないけどあのときは鈴木さんの背中を押した中堂が今度は自らの言葉で白井くんを救ったというこの構図、「僕だけ生きていてもいいのかな?」という白井くんに対し自身が生き残ってしまったものの罪悪感を抱えている中堂の「死んだ奴は答えてはくれない」だから「赦されるに生きろ」という言葉、それを聞いてミコトが流した涙、いつもであれば「どうせ間一髪のところで間に合うんでしょ」と思うところが5話があったせいでもしかしたら自殺しちゃうんじゃないか!?という緊迫感もあったし、これぞ『連続ドラマ』な構成に唸らされました。毎度のことながらスゲーな野木さん!。
これさ、ふつうのドラマだったら中堂は白井くんに対するミコトの説得を聞いて心変わりするってな感じになると思うの。ミコトの言葉は白井くんだけでなく中堂にも届きました的な感じで。でも中堂はミコトの説得以前にミコトを巻き込むことをもう決めてたよね。だから中継みながら自分への協力要請をソワソワしながら待ってたんだろうし、だから坂本に謝罪だってしたのだろう。いじめ加害者は転校して名前を変えてなにもなかったかのように生きていくってのは立場こそ違えどミコト自身が経験したことで、そのミコトが教えた現実が白井くんの決意を揺るがせ、そして白井くんと同じ想いを抱える中堂が文字通り白井くんを止めた。共に人には言わない過去を抱える二人がそれぞれそれゆえに言える言葉でもって一人の少年を救った。そして二人はこれから共闘態勢に入るわけで・・・と、ここが上手い。
そして「赦されるように生きろ」という白井くんへの言葉は中堂自身に対してのものでもあるのだろう。だから中堂はミコトに協力を依頼した。赦されるように生きるために。
わたしの貧相な想像力では中堂さんは闇に向かってGO!するとしか思えなかったのに、なんだこのミコトに対する萌えしかない協力の申し出は!。仲間って!中堂さんの口から仲間って!!。UDIラボでネット中継に食い入ってるところに所長が戻ってきたもんだから慌てて誤魔化そうとしたり電話をワンコールで取ったりと「未だかつて見たことない動きしてるw」と見透かされてる中堂さんかわいすぎんだけどなんだよこれえええええ!!!。
ずいぶんと感じかわりましたね中堂さん・・・とニヤニヤしながらいうほかありませんが、でも中堂さんは「仲間」が出来てうれしいんじゃないかな。自分と同じ法医学者である三澄ミコトという強力な協力者を得たことで(得ると決めたことで)中堂さんの抱えているものがほんの少しでも軽くなって、だから未だかつて見たことがない“素顔”がこぼれ出したのだとしたら、それはすごく嬉しいことです。
しかしケースバイケースというか、いじめといっても受ける側によってその苦しみの度合いは違うってことはわかるんだけど、横山くんにとって白井くんはどんな存在だったのだろうなぁと思わずにはいられない。白井くんの存在は横山くんにとって自分の命と引き換えの復讐計画を思い留まる要因にはならなかったのだろうかと。秘密基地のような一室で復讐計画を練るだけで、それを一緒に語りあえる友人がいることで、自死という、あえてこういうけど『意味のない行為』をしない道を選ぶことができなかったのだろうかと。だからこそ白井くんは『生き残ってしまったものの罪悪感』を抱えることになってしまったわけで、遣る瀬無いなぁ・・・・・・。
生き残った白井くんにみんなの意識が向いてるなか、腹部を貫通する寸前まで自分でつけた背中の傷を隠すように、着ていた上着を横山くんにかけてあげる東海林の気遣いにホロリとなりました(これ、自前のコートだと思って結構高そうな服着てるっぽいのにすごいな東海林!と思ったんだけど、よく見たらUDIから支給されたやつでした。そらそうだよね。自前だったらさすがにやりすぎだよね)。
ところでXと目されていた海老原くん?はなぜ連絡がつかなかったのだろうか。別の事件に巻き込まれているとかでなくスマホの電源切って学校サボってるってだけだったらいいけど、わたしちょっと気になります。