新感線☆RS『メタルマクベス』disc3@IHIステージアラウンド東京

終わったー!!初めてこの劇場に足を踏み入れた瞬間から今日までクッソ長かったー!。
と、disc3のマイ楽を見終えた瞬間、舞台に対する感想そのものよりももうこの劇場に来なくて済むのだという喜びのほうが先に来たよね。後ろの席の人も終わった直後にその話をしてて、思わず握手の手を伸ばしたくなりましたわ。
あと今更だけど、今更すぎるんだけど「メタマク」って言うても「マクベス」なわけで、マクベスを5か月の間何度も観るのって思ったよりキツかったよね・・・ほんと今更だけどさ。


というわけでdisc3。アダルティで哀しいdisc1、若さと疾走感のdisc2に対し、演技力・歌唱力・ビジュアルすべてのバランスが良い総合力のdisc3といった感じでした。ランダムスター夫妻に1.2と比べて「コレ」という特徴というか特異点というか、そういうものがないぶん正統派なマクベス感が一番あった。ここは絶対似合うだろうと思った長澤まさみマクベス夫人は衣装含めドンピシャだったし!

・・・・・・・・・と言いたいところですが、まさみのカツラはなんでああなった・・・?。赤毛の短髪(ウルフカット)はいいとしてもなんであんなモンチッチみたいなヘアスタイルにしたのか謎でしかなかった・・・。初演も含め史上最高のボンテージ度な衣装に身を包みノースリジャケットを脱ぎナイスすぎる尻を客に見せながら「私の殺意」を歌うまさみ夫人は最高フゥ~~~~~~~~~ウ!!なのに尻から目線を上げるとモンチッチとかちょっと意味がわからなすぎた。

カツラと言えば元きよしは役者に寄せるけどjrに関しては1~3まで変更なしなのかと思ってたんで、3のjrは髪型が3パターンもあって驚いた。どのタイプもすんなり被りこなせちゃう高杉くんのビジュアルレベルの異次元さにも驚いたけど。

たぶんそれは優也の歌とダンス、原くんのキレのような「武器」を持たない高杉jrにどうキャラクター性を持たせるか考えた末の「髪型キャラ」だと思うのですが、高杉くんのビジュアルレベルの高さはもうそれだけで武器なわけで、そういう意味では高杉くんなりのjrをしっかりと演じていたと言っていいと思う。

・・・・・・・・・・と言いたいところですが、歌が壊滅的すぎてだな・・・。

jr最大の見せ場でありラストに向けてギアを入れるべくこの作品で一番テンション上がる曲であるはずの「明けない夜は SO LONG」がまさか合唱になるとは・・・・・・(グレコレスポール王とマーシャルと4人で歌う)。

でもこれ「正解」。このシーンのカッコよさ・見栄えという意味ではガシガシ歌って踊るjrが「率いる」形のほうがそりゃいいに決まってるんだけど、ほんのわずかのソロパートでも「ヤバい」ことがわかるんで、この変更が正解だとおもいます。

でもね、でもこれベースになってるのが森山未來であることが問題というか、それを基本形にするのは果たしてどうなの?という話でもあると思うのよね。初演のあのキャストの中において未來ちゃんのjr(も元きよしも)は「これしかない」キャラ像ではあったけど、キャストが変わればjrのキャラというか立ち位置が変わることもあっていいと思うわけで、その点高杉くんのjrは舞台上の誰よりも若くて美しく、歌も踊りも必死のポンコツすぎるあたりも守ってやらねばならない可愛さと思えるし、その存在感はまさに「王子」まさに「プリンス」。それはこれまでに見たことがないタイプのjrで、こういうjrもいいよね!とわたしは思う。ええ、わたしは高杉真宙くんがだいこうぶつです。なので頑張って通った。通ったよ。
だいこうぶつついでに言うと、炎の報告終わりにヤマハの身体を労わるjrに「ミッチ大きくなって・・・」と毎回じいいいいいいいっんとなってましたw。メタルさんがいてくれて高杉くんはさぞかし心強かったことだろう(わたしのメンタル的にもこの場面が支えでしたw)。

浦井ランダムスターとトモ兄貴グレコは予想&期待通りの良バランスで、特に「メタルマクベス」が普通にそこそこイケる(そこそこ売れそうな)ビジュアルで反応に困りました(笑)。まぁ二人とも顔パンパンでしたけど・・・。この会場でこれだけの公演数をこなせばさすがに締まらざるを得ないだろうと思ってましたが最後までパンパンのまんまでしたけど・・・。
浦井くんのランダムスターは優しくて、ボロボロになった夫人が「小さいほうの箱を選べばよかった」と嘆く場面はそれまで殺意メラメラで夫を焚きつける鬼嫁だった夫人の変わりように気持ちがいくところなんだけど(これまでの3作ではそうだった)、disc3はそんな夫人にそっと寄り添うランディの優しさのほうが印象に残る。初演もdisc1も2もランダムスターに人の良さ(好さ)は感じたけれど、優しさというのはなかったなぁと。それはたぶん浦井健治という役者からにじみ出るものなのではないかな。
根は優しいはずのランダムスターが「なぜ戦う」と聞かれ『殺しが好きだからに決まってるだろう』と言うことに、言ってしまうことに、哀しみというよりも痛みを感じずにはいられなかった。なのでなぜこうなってしまったのかな、こうなる以外の道はなかったのかな・・・感はdisc3が一番強い。


髑髏城~メタルマクベスとほぼ2年の間新感線の舞台が上演され続けるって、改めて考えるとものすごいことだよなぁ。そのお祭りに全力で参加できたことをとてもうれしく思います。この2年ほぼほぼ新感線しか見てませんからね。祭りの最中はいろいろあったけど、終わってみればいい思い出・・・・・・・・・にはさすがにならんけど!でもまぁいい経験をさせてもらいました。
すこし早いけど、このビッグプロジェクトに携わったすべての方に、こころからお疲れ様でしたと言わせてください。