トップバッターとして宮部みゆきさんが自由に書いた作品を軸に、辻村深月さん、薬丸岳さん、東山彰良さん、宮内悠介さんが連作短編集としてバトンを繋ぐアンソロジーです。
予めモチーフを与えられるのではなく、宮部さんの作品を辻村さんが読んで書き、お二人の作品を薬丸さんが読んで書き、というスタイルだったようで、これあとになるほどプレッシャー掛かるだろうなぁと意地悪目線でニヤニヤしながら読みました。
で、私これ辻村さんまでは「写真」がモチーフなのかと思ってたんですが、どうやら「ホラー」繋がりだったようです。私の読解力などこんなもの・・・。「私と言えばホラーでしょ」と仰るだけあって、宮部さんの作品はやはり群を抜いてる。トップバッターとして好きに書いたであろうことを差し引いてもひとつの短編として完璧に面白いし、アンソロジーの1篇目として期待を高めるという役割を必要以上に果たしてる。続く辻村さんはお得意の母と娘の話だし、薬丸さんは夏目刑事というキラーカードを切ってきてるし、それぞれいい意味で「十八番」をぶつけてきてるにも関わらず、面白さという意味で宮部みゆきがぶっちぎり。