宮部 みゆき『希望荘』

希望荘

希望荘

このシリーズは特にそう思うのですが、宮部みゆきの現実に対する容赦のなさってすごいよなぁ・・・。あと女性キャラに対しても。
宮部さんに対する私の先入観というか固定観念というか、そういうものがそう思わせてるところはあるかもですが、男性キャラはなんとなく(精神的な)救いだったり希望だったりを見出せるのに対し女性キャラにはそれがない。ように私には感じられる。1編目から思わず死にたくなりかけました。
杉村が引き寄せてしまう事件(を構成する要素)は遣りきれないものばかりで、苦しみや痛みを抱えながら生きるしかない、そうやって生きてきた、生きている、そんな人間と出会ってしまうわけで、もはや私は杉村三郎を小泉孝太郎さんでしか読めないので杉村に対し過剰に思い入れてしまって心が痛くなりますが、これまた本田博太郎さんでしか読めなくなってしまった(元)睡蓮のマスターが杉村の側に居てくれることはほんとうに癒しであり救いです。