- 作者: 大倉崇裕
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: 単行本
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なんかもう・・・ムオワッとした臭いと熱気が伝わってくるよう(笑)。
でも大倉さんのすごいところは、というか大倉さんがただの特撮オタクではないところは、「事件簿」の内容がちゃんとスーツアクター(特撮)業界ならではのものになっていることにある。それこそただの特撮ファンでしかない私ですからスーツアクター業界についての知識など耳学問でしかありませんが、それでも事件の動機には頷けてしまう。事件に直接関わってはいない人々の葛藤とか、憧れの作品・人への想い、怪獣への拘り、プライド、そういう“人情”に共感できてしまうわけで、それがこういう事件を引き起こしてしまったんだなーって頭ではなく心で理解できてしまう。
これほど特殊な業界を舞台にしたミステリーをこれだけ読みやすいものにできるのは、やっぱり大倉さんの特撮愛あればこそ、なのだろう。