朱川 湊人『スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち』

いくつかの巡り合わせが重なり都電が走る荒川区の「町良」という町の住人となることになったスズムは、町で夜な夜な目撃されている鉄仮面事件をなりゆきで解決し「探偵」にさせられてしまう。
という始まりで、町で起きる「不思議な事件」を解決するなかで個性と押しの強い人たちと知り合いワイワイやる連作ミステリです。

朱川さんが描くノスタルジックな世界観はもはや定番と言っていいかと思うのですが、「事件(案件)」自体は素人探偵(もどき)が扱えるレベルでありつつ流行りや社会情勢という意味でのイマドキ要素があり、両者が上手いこと混じり合う物語はどれも面白かったー!。知ってる人が一人もいない町で暮らすことになった主人公が事件を解決していくごとに一人また一人と「仲間」が増えていくのも楽しくて、これはこのまんま今すぐ映像化できそう。それぐらいキャラがみんな魅力的。