『動物戦隊 ジュウオウジャー』第14話「ウソつきドロボーおバカ系」

うーん・・・まぁ、たしかに「おバカ系」ではあったけど、難病の女の子と治療費(渡航費)を稼ぐために昼夜関係なく警備員の仕事をしている兄というゲストの事情が重くて、両者のバランスが見合ってなかったような。
この作品は初回からかなりの人死にが出てるし、毎回のブラッドゲームも結構容赦ない感じなので今回だけが特別だというわけでもないんだろうけど、どうもスッキリしない。
兄妹はもちろんアム自身もたぶんそのことに気付いてはいないんだろうけど、この兄妹が狙われたのって“たまたまアムとの会話を見聞きされたから”だよね?。
この話の酷いところってのは怪物と取引の結果とはいえ兄には妹を助けるための金を、妹には手術が出来るという希望を、一旦は与えてしまったことにあると思うんだ。
外出できるしケーキもホールで食べられる(それが許されている)くらいだから、妹の病気は今すぐに手術しなければ命にかかわるというようなものではないのだろう。もし一刻を争うような状況だったらこの程度の綺麗事なんかじゃ手にした金を諦められないとわたしだったら思うしね。だからまぁ、これまでと同じく、兄は昼夜問わず働き金を作り、妹は手術出来る日がくるまで毎日を生きるだけなんだろうけど、でもこれまで通りとはいかないと思うの。
だって兄も妹も「手術できる」と思ってしまったんだもん。
これで無理だと思ってた「結婚」だってできると、そう思ってしまっただろう。
一度は抱いた希望をなかったことにして、また必死で働く日々、闘病の日々を過ごすってのはこれまで以上にキツイよね、きっと。
で、そんなつもりはなかったとはいえ、兄妹をそんな目に遭わせてしまったのはアムと出会ったから・・・・・・だよね?。
しかも、このこと自体がジニス様を喜ばせるためのゲームならばまだしも(だからといって兄妹の苦痛が消えるわけでも癒えるわけでもないけど)、この兄妹の苦しみはジニス様の知る由もないというか知る必要もないことなわけだよね?。つまりなんの意味もない、完全なるとばっちりなわけでしょう?。
それなのに、苦しみを与えられただけでなんのフォローもなく終わってしまうとかさぁ・・・・・・。
確かに、悪事に加担して得た金で命が助かっても妹は喜ばないかもしれない。だから銀行から奪った5千万は警察に届けるべきだと思う。子供番組だしね。
でもそこで、兄のしたこと(しようとしたこと)はそれとして、5千万が戻ってきた経緯(妹の病気のこと)を知った銀行が特別融資をしてくれたとかさ、大事な宝石を(結果的に)守ったことで話題になって手術費用を集めるべく募金活動が始まったとかさ、そんなミラクルがあってもよかったんじゃないかなーとは思うかなぁ。