『真田丸』第8回「調略」

偉大な父に翻弄される息子たち回でありましたが、中でも最も輝いていたのはそうです我らが細田善彦演じる北条氏直です!!!!!。ここは異論を認めませんッ!!!。
初登場回では変態臭隠す気ゼロの父・氏政の発言を内心はどうあれ真面目な顔で受け止める息子ってな感じだったのに、なんだこのあの父親にしてこの息子感(笑)。
真田をネチネチといびる顔もよかったけど、予期せぬ父上登場で脱兎のごとく席を譲り側に控えつつ、でも父上に恨みがましい視線を向けるこの圧倒的矮小感!!。
もうさ、何がダメかって初回登場時を見てわかるように親父の前では多分普通なんだよね。普通に息子やってんの。でも自分よりも下の人間の前に出ると、そしてその場に親父が居ないとなると親父の真似っこしちゃうところ。背一杯虚勢張って親父のようにあろうとしてるのに、隠居してるくせに突如現れた親父は自分の言ったことと真逆のことを言ってくれちゃうもんだからついついジト目しちゃうところですよ。『父上に倣って』ってのは息子の生き方、在り方として間違ってはいないんだろうけど、真似るとこそこじゃねーだろというズレっぷりが心底ダメだ感(笑)。いやあ、見事なバカ殿だね!!。単なるバカ殿ってんでなく、“この父上”の息子としての鬱屈、抑圧、そういうものがちゃんとあってのこの喋り方ってのが素晴らしい。細田くんの完璧なる仕事っぷりを拝めてわたし超満足(笑)。
タイトルでもある真田兄弟の「調略」はこれまでの負けっぱなしギャンブルは一体なんだったんだ!?ってぐらいあっちもこっちも(結果的に)完璧に嵌めてみせたわけですが、氏直はいいとしても景勝と、それから春日殿が可哀想で見ていて辛い。春日殿の死ありきの作戦とか非道すぎる。面白いけど。
ここで昌幸に仕方がなかったんだとか自己弁護させないところがいいよね。これでこそ真田。清々しいまでに汚いのが真田。
勝頼様を守れなかった(守らなかった)真田が一益さんを裏切り景勝を騙し、そして春日殿の命を奪う。駆け引き裏切り当たり前でそれが出来なきゃ生きていけないのが戦国の世なのだろうけど、昌幸・信尹兄弟マジ外道で恐ろしすぎると思わずにはいられない。
ていうか信尹叔父上はカッコイイ!!!。真田家を存続させるために、兄を支えるために、自分の行為に信念を持ってはいると思うんだ。自分のような存在が必要だという自負はあるんだと思うの。でもそれを甥っ子に背負わせたくはない気持ちもあるんじゃないかな。次男という立場を含め兄に対する複雑な感情、お前に俺と同じことが出来るのか?という思いを含めてのことなんだろうなーとか考えると「俺のようにはなるな」という叔父上の言葉がどこまでも深いわ・・・。
そしてそれを言われるのが『主人公』たる信繁なのよ。これまでさして主人公感はなかった信繁だけど、父親の本性っつったらアレだけど、父親の“やり方”を目の当たりにし、以前曇りなきキラキラした目で「叔父上のようになりたい」と言ったことを信繁は今どう思っているのだろうかと、これまではワクワクしかなかった父親の発言を固い顔で聞く信繁は今どんな気持ちでいるのだろうかと、これからこの若者がどうなっていくのか!?という興味が俄然湧いてきたよね。
まずは上杉の人質となるときに「真田信尹の息子」としてこれだけ堂々と顔晒しちゃったけどどうすんだ?ってのが楽しみ。ていうか兼続との絡みが!!この“三成と仲が良かった”ってのがここまでハマる・わかる直江兼続と信繁が文字通りどう絡むのかと思うともう前のめり通り越してでんぐり返ししちゃいそうな勢いなんですけど!!!(ていうか早くこの兼続による直江状が見たい!!!)。
そして真田のこの調略にただ一人気づいてるのが家康とかさー、この描き方はちょっと興奮を抑えきれませんよね!。
正信に締められて「きついきつい・・・あっ」っていうのもまぁ興奮ですわ(笑)。
ていうか予告にいたほっぺたぺちぺちし合う超テンション高い家康&氏政なんだよあれ(笑)。